Oracle 26ai RAC構築手順②【DB・Database編】

26ai

Oracle Grid Infrastructure(GI)の構築が完了したら、次はいよいよ Oracle 26ai RAC データベースの構築 です。本記事では、データベース・ソフトウェアのインストールから、DBCA(Database Configuration Assistant)を使用したクラスタデータベースの作成までを詳しく解説します。

結論として、26ai の RAC インストールはイメージ・ベース・インストールの採用により、従来よりもシンプルになっていますが、ノード間の所有権設定や、共有ストレージ(ASM)の準備状態が成功の鍵を握ります。

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結論:DB 構築の最短手順リスト

  1. 環境変数の設定: oracle ユーザーの .bash_profile を設定し反映。
  2. ソフトウェア展開: Edelivery から入手した ZIP を DB ホームに直接解凍。
  3. ソフトウェア・インストール: runInstaller を起動し、全ノードに展開。
  4. データベース作成: dbca を使用し、ASM ディスクグループ上に RAC DB を作成。
  5. 状態確認: crsctl および SQL*Plus で PDB の起動状態を確認。

背景と基礎:26ai RAC 構成のポイント

Oracle 26ai(23ai ベース)では、マルチテナント・アーキテクチャが必須となっており、RAC 構成においても CDB(コンテナ・データベース)と PDB(プラガブル・データベース)の概念を正しく理解しておく必要があります。

初心者向け一口メモ 26ai のインストールは、先にディレクトリを作成してそこにファイルを解凍する「イメージ・ベース」方式です。従来の runInstaller から OUI を起動してインストール先を選ぶ方式とは順序が異なる点に注意してください。

手順 1:事前準備(環境変数とディレクトリ)

第1部で作成したディレクトリを使用し、oracle ユーザーで作業を開始します。なお、本環境は Oracle VM 環境 で構成されています。

1.1 oracle ユーザーの .bash_profile 設定

ノード 1 およびノード 2 の両方で設定してください。

su - oracle
cat << EOF >> ~/.bash_profile
export ORACLE_SID=orcl1
export ORACLE_BASE=/u01/app/oracle
export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/23.0.0/dbhome_1
export PATH=\$ORACLE_HOME/bin:\$ORACLE_HOME/OPatch:\$PATH
EOF
source ~/.bash_profile

1.2 ソフトウェアの展開

Oracle Software Delivery Cloud から入手した DB ソフトウェアを、oracle ユーザーで解凍します。

cd $ORACLE_HOME
unzip -q V1054592-01.zip -d $ORACLE_HOME
rm -rf V1054592-01.zip

手順 2:データベース・ソフトウェアのインストール

まずはデータベース・エンジンのインストールのみを行います。GUI を使用するため、ノード 1 から実行します。

# ノード 1 にて実行
cd $ORACLE_HOME
./runInstaller

主要な選択項目:

  1. 構成オプション: 「ソフトウェアのみのインストール」を選択。
  2. データベース・インストールのタイプ: 「Oracle Real Application Clustersデータベースのインストール」を選択。
  3. ノードの選択: rac-26ai1 および rac-26ai2 が選択されていることを確認。
  4. 前提条件チェック: Perform Prerequisite Checks 画面で Failed の項目がある場合は、必ず修正してから「再チェック」を実行してください。
  5. スクリプト実行: 終了間際に指示される root.sh を両ノードで実行。

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手順 3:DBCA によるデータベース作成

ソフトウェアの導入後、dbca を使用して共有ディスク(ASM)上にデータベースを作成します。

# ノード 1 にて実行
dbca

主要な構成値(検証用):

  • データベース・タイプ: Oracle Real Application Clustersデータベース
  • 構成タイプ: 管理型構成
  • 記憶域: ASM (第1部で作成した +DATA ディスクグループを使用)
  • 高速リカバリ領域: 必要に応じて +DATA または別のディスクグループを指定。
  • 前提条件チェック: ここでも Failed があれば修正して再チェックを行ってください。 * コンテナ・データベース: Yes (26ai では必須)。PDB 名として pdb01 を指定。

手順 4:構築後の稼働確認

作成が完了したら、クラスタ・リソースの状態とデータベースの内容を確認します。

4.1 クラスタ・リソースの確認

grid ユーザーに切り替えて、リソース・ステータスを確認します。

su - grid
crsctl stat res -t

ora.orcl.db が各ノードで ONLINE であり、Open または READ WRITE と表示されていれば正常です。

[oracle@rac-26ai1 dbhome_1]$ su - grid
Password:
[grid@rac-26ai1 ~]$ crsctl stat res -t
--------------------------------------------------------------------------------
Name Target State Server State details
--------------------------------------------------------------------------------
Local Resources
--------------------------------------------------------------------------------
ora.LISTENER.lsnr
ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.chad
ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.helper
OFFLINE OFFLINE rac-26ai1 STABLE
OFFLINE OFFLINE rac-26ai2 STABLE
ora.net1.network
ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.ons
ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
--------------------------------------------------------------------------------
Cluster Resources
--------------------------------------------------------------------------------
ora.ASMNET1LSNR_ASM.lsnr(ora.asmgroup)
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.DATA.dg(ora.asmgroup)
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.LISTENER_SCAN1.lsnr
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ora.LISTENER_SCAN2.lsnr
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ora.LISTENER_SCAN3.lsnr
1 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.OCR.dg(ora.asmgroup)
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.asm(ora.asmgroup)
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 Started,STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 Started,STABLE
ora.asmnet1.asmnetwork(ora.asmgroup)
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.cdp1.cdp
1 OFFLINE OFFLINE STABLE
ora.cdp2.cdp
1 OFFLINE OFFLINE STABLE
ora.cdp3.cdp
1 OFFLINE OFFLINE STABLE
ora.cvu
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ora.cvuhelper
1 OFFLINE OFFLINE STABLE
ora.orcl.db
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 Open,HOME=/u01/app/o
racle/product/23.0.0
/dbhome_1,STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 Open,HOME=/u01/app/o
racle/product/23.0.0
/dbhome_1,STABLE
ora.orcl.orcl_pdb01.svc
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.orcl.pdb01.pdb
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 READ WRITE,STABLE
2 ONLINE ONLINE rac-26ai2 READ WRITE,STABLE
ora.rac-26ai1.vip
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ora.rac-26ai2.vip
1 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
ora.rhpserver
1 OFFLINE OFFLINE STABLE
ora.scan1.vip
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ora.scan2.vip
1 ONLINE ONLINE rac-26ai1 STABLE
ora.scan3.vip
1 ONLINE ONLINE rac-26ai2 STABLE
--------------------------------------------------------------------------------

4.2 データベースへの接続と PDB の確認

oracle ユーザーで SQL*Plus を起動し、PDB の状態を確認します。

su - oracle
sqlplus / as sysdba

SQL> show pdbs

    CON_ID CON_NAME                       OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------------------------ ---------- ----------
         2 PDB$SEED                       READ ONLY  NO
         3 PDB01                          READ WRITE NO

トラブルシューティング

状況原因対処法
前提条件チェックで FailedOS設定不備/リソース不足エラー内容を確認し、/etc/sysctl.conf や権限を修正して再試行。
runInstaller が起動しないX11 転送または DISPLAY 変数の不備xhost + の実行や、適切な IP 指定を確認。
ASM ディスクが見つからないoracle ユーザーの権限不足usermod -a -G asmdba oracle が実行済みか確認。
DBCA でノード疎通エラーSSH 信頼関係の不備grid だけでなく oracle ユーザーでもパスワードレス SSH が可能か確認。

運用・セキュリティ上の注意

  • リスク: 26ai では CDB/PDB 構成が標準です。PDB への接続サービス名を適切に管理してください。
  • 影響範囲: 共有ディスクへの書き込みに失敗すると、全インスタンスが影響を受けます。ASM のディスクグループ管理(DATA)には十分注意してください。
  • 戻し方: 失敗した場合は dbca -silent -deleteDatabase もしくは手動でインスタンスを削除し、データファイルをクリアします。

FAQ

Q: 26ai RAC でも従来の dbhome ディレクトリ構成を使えますか? A: はい。パスは任意ですが、今回は 23c 以降の慣例に従い /u01/app/oracle/product/23.0.0/dbhome_1 を使用しています。

Q: Perform Prerequisite Checks で無視(Ignore)しても良い項目はありますか? A: 検証環境であっても、Failed 項目は原則修正してください。Warning であれば環境により無視可能な場合もありますが、可能な限り解消することを推奨します。

Q: データベース作成中に ORA-15055 (ASMエラー) が出ました。 A: oracle ユーザーが ASM グループ(asmdba 等)に所属しているか、また /dev/sd*udev ルールで所有権が正しく設定されているか確認してください。

まとめ

  • イメージ・ベース・インストールにより、ホームへの直接解凍が必要です。
  • Perform Prerequisite Checks での Failed は、必ず修正して再チェックをパスさせてください。
  • CDB/PDB 構成を前提とした DBCA 設定を行います。
  • ASM グループ権限oracle ユーザーに正しく付与されていることが重要です。

これで Oracle 26ai RAC の基本構築は完了です。AI 機能を活用した高度なデータベース運用を始めましょう。

本記事は Oracle AI Database 26ai を対象に解説します(他バージョンは画面や既定値が異なる場合があります)。

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