Oracle Database 23ai と 26ai の違いは?パッチ適用で「26ai」になる仕組みを解説

26ai

Oracle Database の最新情報を追っているエンジニアやITアーキテクトの間で、今もっとも混乱を招いているのが「23ai」と「26ai」という2つのバージョン表記です。 「23aiはどこに行ったのか?」「26aiは全く別の製品なのか?」「また一から検証し直しなのか?」

結論から言うと、これらは別物ではありません。「Oracle Database 23ai」は正式に「Oracle AI Database 26ai」へと名称変更(リブランディング)されました。 しかし、単なる名前の変更以上の技術的な意味合いがここには含まれています。本記事では、この少し特殊なバージョニングの仕組み、その背景にあるOracle社の戦略、そしてエンジニアが知っておくべき実務上の注意点を詳細に解説します。

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結論:23ai はパッチ適用で「26ai」になる

Oracle Database 23ai と 26ai の関係を一言で表すと、「ベースは同じ製品であり、特定のアップデート(パッチ)を適用することで、製品名そのものが『26ai』へ進化する」関係にあります。これは従来のOracle Databaseの常識を覆す変更です。

  • Oracle Database 23ai: ベースとなるリリース(コードライン 23)。2025年10月以降、この名称は「旧名称」または「過渡期の名称」のような扱いになります。
  • Oracle AI Database 26ai: 23ai に対して、2025年10月のリリースアップデート(RU 23.26) 以降を適用した後の姿。これが正式な「Long Term Release(長期サポート版)」として今後5年〜8年以上のサポート期間を担います。

つまり、OSを入れ替えたり、データを移行(Export/Import)したりするような、高コストな「メジャーバージョンアップ」作業は不要です。既存の 23ai 環境にパッチを当てるだけで、あなたのデータベースは「26ai」になります。

なぜ「パッチ」で名称が変わるのか?技術的背景

バージョン番号のルール変更とブランディング

Oracle Database 23ai までは、パッチ(Release Update: RU)を適用しても、呼び名は「23ai」のままでした。内部バージョンが 23.423.5 と上がるだけで、製品バナーが変わることはありませんでした。

しかし、2025年10月の発表により、製品ブランディングが 「Oracle AI Database」 へと刷新されました。これに伴い、リリースアップデート(RU)の番号規則も変更され、「西暦の下2桁」 がバージョンに含まれるようになりました。これは、AI技術の急速な進化に合わせて、製品名が陳腐化するのを防ぐ狙いがあります。

  • 旧ルール: 23.4, 23.5… (23c/23aiのマイナーバージョンアップ扱い)
  • 新ルール: 23.26.0 (2026年を見据えた2025年10月版RU)

具体的な変更のイメージ:内部はどうなっている?

実機で確認すると、パッチ適用前後で「バナー情報(製品名)」が明確に変わります。しかし、ここで重要なのは 「ベースバージョンは23のまま」 であるという点です。

パッチ適用前(23ai)

SQL> SELECT banner FROM v$version;

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--------------------------------------------------------------------------------
Oracle Database 23ai Enterprise Edition Release 23.0.0.0.0 - Production

↓ パッチ(RU 23.26以降)適用後

SQL> SELECT banner FROM v$version;

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--------------------------------------------------------------------------------
Oracle AI Database 26ai Enterprise Edition Release 26.0.0.0.0 - Production

見た目は「26」になっていますが、オプティマイザの基本挙動やデータディクショナリのコア構造は 23 系を引き継いでいます。そのため、19cから23aiへのアップグレードと比べ、23aiから26aiへの変化は 「非常にリスクの低い、運用の一環としての更新」 と位置づけられます。

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23ai のリリース状況と 26ai への合流ロードマップ

リリースロードマップの変更により、プラットフォームごとに状況が異なります。特にオンプレミス版を待っていたユーザーにとっては大きな方針転換となります。

1. クラウド・Exadata版(リリース済み)はパッチで 26ai へ

Oracle Cloud (OCI) や Exadata 向けには、すでに Oracle Database 23ai が提供されています(Base Database Service, Exadata Database Service 等)。 これらの既存環境を利用中のユーザーは、焦る必要はありません。

  • 結論: そのまま使い続けて問題ありません。
  • 対応: 今後リリースされるパッチ(RU)を適用することで、自動的に 26ai 仕様へとアップデートされます。
    • OCIの管理コンソールから「パッチ適用」ボタンを押すだけで、データベースが「23ai」から「26ai」に変わります。
    • 再構築やデータ移行は一切不要です。

2. 汎用オンプレミス版(Linux/Windows)は「23ai」がスキップ

一方で、一般的なサーバー(Linux/Windowsなど)にインストールするための「23ai オンプレミス版」は、リリースされずに終わる(スキップされる)公算が高まっています。

  • 23ai: 汎用オンプレミス版は長らく「Coming Soon」でしたが、リリースの気配がなく、事実上の「欠番」となります。
  • 26ai: 2026年1月 にオンプレミス版(Enterprise Edition / Standard Edition 2)の正式リリースが予定されています。

これにより、多くの企業が検討する「次期オンプレDB」のターゲットは、23aiではなく「26ai」へと一本化されます。「23aiが出るまで19cで待つ」という戦略だった企業は、ターゲットを「26ai」に修正し、計画を数ヶ月後ろ倒しにする必要があります。

[参考(英語ナレッジ)]
Oracle AI Database 26ai coming soon for Linux x86-64 on-premises platforms | database

3. 【朗報】開発者向け「26ai Free」はリリース済み!

エンタープライズ向けのオンプレミス版は2026年までお預けですが、開発者向けの無償版「Oracle AI Database 26ai Free」は、すでにリリースされておりダウンロード可能です。

  • 入手方法: Oracle Container Registry (Docker) や公式サイトからRPMパッケージを入手可能。
  • 用途: 検証、学習、小規模なアプリ開発であれば、今すぐ手元のPC(Docker等)で「26ai」の環境を構築し、新機能や挙動を確認することができます。

「製品版が出るまで待てない」「とりあえず26aiのコマンドを叩いてみたい」というエンジニアは、まずこの Free版 で学習を始めるのが正解です。

[参考]
AI Database 26ai Free | オラクル | Oracle 日本

運用上の注意点:パッチ適用による「予期せぬ変化」

「パッチを当てるだけで新バージョンになる」というのは便利ですが、運用担当者にとっては落とし穴にもなり得ます。実務で注意すべきポイントを深掘りします。

1. アプリケーションのバージョンチェック処理

多くのレガシーなアプリケーションや、独自開発の管理ツールでは、接続先データベースのバージョンを文字列判定しているケースがあります。

リスクのあるコード例(擬似コード)

String dbVersion = getDBVersion(); // v$version から取得
if (dbVersion.contains("23ai")) {
    // 23ai用の処理を実行
} else {
    throw new Exception("サポートされていないバージョンです");
}

このようなロジックが組み込まれている場合、パッチ(RU)を適用してバナーが「26ai」に変わった瞬間に、アプリケーションが停止するリスクがあります。 事前にアプリケーションコードを確認し、バージョン判定ロジックを「23以上」や「26aiを含む」形に修正しておく必要があります。

2. COMPATIBLEパラメータと「戻れない橋」

パッチ適用自体はバイナリの更新ですが、新機能(特にAI関連の永続化機能など)をフル活用するためには、初期化パラメータ COMPATIBLE26.0.0 等へ引き上げることが求められる可能性があります。

  • 注意点: COMPATIBLE パラメータは一度上げると、下げること(ダウングレード)ができません。
  • 対策: パッチ適用直後は COMPATIBLE を据え置きで運用し、安定稼働を確認してから上げる、あるいはバックアップを確実に取得してから変更するという、慎重な手順が必要です。

3. AI機能のアンロックとリソース消費

26ai 化することで、AI Vector Search(ベクトル検索)などの機能が正式版として強化・有効化されます。これらは追加コストなしで利用可能ですが、バックグラウンドプロセスが増加する可能性があります。

  • リソース管理: ベクトルインデックスのメンテナンスや、AIモデルのロードにより、メモリ(SGA/PGA)やCPUの使用ベースラインが変化する可能性があります。
  • サイジング: ギリギリのリソースで稼働しているシステムの場合、パッチ適用後の性能検証が必須です。

まとめ:エンジニアはどう動くべきか

  • 別製品ではない: 23ai と 26ai は同じコードライン上の製品であり、学習した知識は無駄になりません。
  • パッチで進化: 23ai にパッチ(RU 23.26以降)を適用することで「Oracle AI Database 26ai」になります。これは不可逆な変化となる可能性があるため、適用計画は慎重に。
  • 既存の23aiも26aiへ: すでにリリースのクラウド版・Exadata版もパッチで26aiに対応します。
  • オンプレは26ai待ち: エンタープライズ版は2026年1月予定ですが、「26ai Free」版はすでにリリース済み です。まずはFree版で手を動かし、次期本番環境への準備を進めましょう。

「26ai」という新しい名前に身構える必要はありません。実体は 「AI機能が強化され、名称がリフレッシュされた、完成形の23c/23ai」 です。 まずは 19c で基礎を固め、その上で 23ai/26ai 共通のアーキテクチャ(CDB/PDB等)を学ぶことが、最も効率的かつ確実なスキルアップの道です。

Note: 本記事は2025年10月以降の Oracle Database リリース戦略およびパッチ適用仕様に基づいています。最新のパッチ情報やリリースノートは Oracle Support (My Oracle Support) をご確認ください。

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