Oracle EM ターゲット追加を成功させるには、名前解決、ディレクトリ準備、エージェント導入、そして「自動検出の結果」からの昇格という一連のフローを正確に行う必要があります。本記事では EMCC 13.5 ターゲット追加(13.5.0.0.0)の手順を、最新の 23ai (26ai) ホストの実機ログを交えて、初心者にも分かりやすく解説します。
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結論:ターゲット追加と監視開始の最短リスト
Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13c Release 5 (EMCC 13.5) でデータベース orcl を監視対象にするための最短手順です。
- 名前解決:
/etc/hostsに OMS とターゲットホストを相互登録する。 - ディレクトリ作成: ターゲット側で
/u01/app/agentを作成し、oracle ユーザーに権限を付与する。 - エージェント導入: 「ターゲットの手動追加」から Agent をインストールする。
- DBSNMP解除: DB インスタンス
orcl側で監視ユーザーDBSNMPをアンロックする。 - 検出結果から昇格: 「自動検出の結果」画面からターゲットを昇格させる。
背景と基礎:ターゲット追加のやり方と仕組み
Oracle Enterprise Manager (EM) の管理モデルは「エージェント型」です。ターゲット・ホストに管理エージェント (Management Agent) を常駐させ、エージェントが収集したデータを OMS (Oracle Management Server) へ送信します。
- 自動検出: エージェントが OS 上の
/etc/oratabやプロセスをスキャンし、管理候補を見つける機能。 - 昇格: 検出された候補に対して接続情報を紐付け、正式な管理対象として確定させる操作。
初心者向け一口メモ
エージェントのインストール先を
/u01/app/agentに指定するのは、Oracle の推奨する Optimal Flexible Architecture (OFA) に準拠し、OS 領域とデータ領域を分離して管理しやすくするためです。
実装手順:OS準備からデータベース昇格まで
1. 名前解決の設定(/etc/hosts)
エージェントのデプロイには、OMS とターゲット間での双方向通信が必要です。
# root ユーザーで実施
vi /etc/hosts
# 以下のように、IP・FQDN・ホスト名を追記
192.168.56.101 em13cr5.example.com em13cr5 # OMS側
192.168.56.120 26ai-single.example.com 26ai-single # ターゲット(26ai)側
2. ターゲット側でのディレクトリ作成
エージェントをインストールするためのディレクトリを事前に準備します。
# ターゲットホスト(26ai-single)にて root ユーザーで実施
# 1. ベースディレクトリの作成
mkdir -p /u01/app/agent
# 2. 所有者を oracle ユーザーに変更
# (グループ名は環境に合わせて oinstall 等に変更してください)
chown -R oracle:oinstall /u01/app/agent
# 3. 権限の設定
chmod -R 775 /u01/app/agent
# 4. 確認
ls -ld /u01/app/agent
# 結果例: drwxrwxr-x 2 oracle oinstall ... /u01/app/agent
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3. エージェントのインストール
EM コンソールの GUI を使用して、ホスト 26ai-single に Agent をデプロイします。
- メニュー: 「設定」>「ターゲットの追加」>「ターゲットの手動追加」をクリック。
- アクション: 「ホストにエージェントをインストール」を選択。
- ホスト追加: ホスト名
26ai-singleを追加。 - 詳細設定:
- インストール・ベース・ディレクトリ:
/u01/app/agent - 名前付き資格証明:
oracleユーザーを指定。
- インストール・ベース・ディレクトリ:
- 実行: デプロイジョブを開始し、完了を待ちます。

SYSMAN/パスワード(例:welcome1)











エージェントの状態確認(実機ログ):
[oracle@26ai-single ~]$ /u01/app/agent/agent_13.5.0.0.0/bin/emctl status agent
Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13c Release 5
Copyright (c) 1996, 2021 Oracle Corporation. All rights reserved.
---------------------------------------------------------------
Agent Version : 13.5.0.0.0
OMS Version : 13.5.0.0.0
Protocol Version : 12.1.0.1.0
Agent Home : /u01/app/agent/agent_inst
Agent Log Directory : /u01/app/agent/agent_inst/sysman/log
Agent Binaries : /u01/app/agent/agent_13.5.0.0.0
Core JAR Location : /u01/app/agent/agent_13.5.0.0.0/jlib
Agent Process ID : 57763
Parent Process ID : 57730
Agent URL : https://26ai-single:3872/emd/main/
Local Agent URL in NAT : https://26ai-single:3872/emd/main/
Repository URL : https://em13cr5:4903/empbs/upload
Started at : 2026-02-18 22:38:41
Started by user : oracle
Operating System : Linux version 5.15.0-206.153.7.1.el8uek.x86_64 (amd64)
Number of Targets : 4
Last Reload : (none)
Last successful upload : 2026-02-20 20:59:25
Last attempted upload : 2026-02-20 20:59:25
Total Megabytes of XML files uploaded so far : 1.34
Number of XML files pending upload : 0
Size of XML files pending upload(MB) : 0
Available disk space on upload filesystem : 65.34%
Collection Status : Collections enabled
Heartbeat Status : Ok
Last attempted heartbeat to OMS : 2026-02-20 20:59:54
Last successful heartbeat to OMS : 2026-02-20 20:59:54
Next scheduled heartbeat to OMS : 2026-02-20 21:00:54
---------------------------------------------------------------
Agent is Running and Ready
[oracle@26ai-single ~]$
4. 監視ユーザー DBSNMP のアンロック
監視対象となるインスタンス orcl の内部ユーザーを有効化します。
[oracle@26ai-single ~]$ sqlplus / as sysdba
SQL*Plus: Release 23.26.1.0.0 - Production on Fri Feb 20 21:00:34 2026
Version 23.26.1.0.0
Copyright (c) 1982, 2025, Oracle. All rights reserved.
Connected to:
Oracle AI Database 26ai Enterprise Edition Release 23.26.1.0.0 - Production
Version 23.26.1.0.0
SQL> select username,account_status from dba_users where username='DBSNMP';
USERNAME
--------------------------------------------------------------------------------
ACCOUNT_STATUS
--------------------------------
DBSNMP
LOCKED
SQL> alter user dbsnmp identified by "oracle" account unlock;
User altered.
SQL> select username,account_status from dba_users where username='DBSNMP';
USERNAME
--------------------------------------------------------------------------------
ACCOUNT_STATUS
--------------------------------
DBSNMP
OPEN
5. 自動検出の結果からの昇格
エージェントがスキャンした情報を基に、orcl インスタンスを昇格させます。
- メニュー: 「設定」>「ターゲットの追加」>「自動検出」をクリック。
- 結果の確認: 「自動検出の結果」タブを選択。
- ターゲット選択: ホスト
26ai-single上で検出されたorclデータベースを選択し「昇格」をクリック。 - 情報の入力:
DBSNMPのパスワードを入力し、接続テストを実行。 - 保存: テスト成功後、「保存」をクリックして監視を開始します。












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トラブルシューティング:代表的なエラー対処
| 現象・エラー | 原因 | 対処順 |
| デプロイ失敗 | hosts 不備、SSH 通信不可 | ping および SSH キーの登録を確認 |
| ORA-28000 | DBSNMP がロックされた | SQLPlus で再度 account unlock を実行 |
| 自動検出に不達 | /etc/oratab の記述ミス | orcl インスタンスの SID とパスを確認 |
| 接続失敗 | ポート 3872 または 1521 閉塞 | Firewall でポートの疎通を確認 |
運用・監視・セキュリティ上の注意
- DBSNMP のパスワード期限:
DEFAULTプロファイルでは 180 日等で期限が切れます。監視専用プロファイルを作成し、PASSWORD_LIFE_TIMEをUNLIMITEDにすることを推奨します。 - 影響範囲: ターゲットの「削除」操作は EM 上のメタデータを消去するだけで、実際の DB インスタンス
orclが停止することはありません。
FAQ
Q1: エージェントを導入するとホストの CPU やメモリ負荷はどの程度増えますか?
A1: 通常の稼働時で CPU 使用率は 1% 未満、メモリは 500MB〜1GB 程度に収まるよう設計されています。ただし、メトリクス収集頻度を高く設定しすぎると負荷が増大するため、デフォルト設定から始めるのがベストです。
Q2: ターゲットホストが外部ネットワークに繋がらない環境でもインストール可能ですか?
A2: はい。OMS サーバー側にエージェント・ソフトウェアを事前にダウンロード(ソフトウェア・ライブラリ)しておけば、インターネット接続なしで OMS から各ホストへ配布・導入が可能です。
まとめ
- 名前解決とディレクトリ
/u01/app/agentの準備が成功の 8 割を占める。 - DBSNMP ユーザーは必ず
OPENにし、パスワードを EM 側と同期させる。 - 自動検出の結果タブから
orclを昇格させて監視を完成させる。
本記事は Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13.5 (EMCC 13.5) を対象に解説します(他バージョンは画面や既定値が異なる場合があります)。
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