初心者向けOracle Data Pumpの使い方:基本操作から便利なオプションまで

Oracle Master Bronze

Oracle Data Pumpは、Oracle Databaseでデータのエクスポートとインポートを効率的に行うためのツールです。Data Pumpは、大規模なデータ移行、バックアップ、リカバリなどに役立ち、従来のexpimpコマンドよりも高パフォーマンスと柔軟性を提供します。
この記事では、Oracle Databaseでよく使用されるscottスキーマを例に、Data Pumpを利用するために必要な権限の付与方法や、主要なエクスポート・インポートモード(スキーマモード、表モード、フルモード)について詳しく解説します。

SCOTTスキーマは以下を実行することでインストール可能です。

SQL> @?/rdbms/admin/utlsampl.sql


Data Pumpを使用するために必要な権限

Data Pumpを使用するためには、事前にユーザーに適切な権限を付与する必要があります。特に、エクスポート・インポートの際に使用するディレクトリオブジェクトへのアクセス権が必要です。ここではscottスキーマの例を使用して説明します。

1. DIRECTORYオブジェクトの作成

最初に、エクスポートやインポートするファイルを格納するディレクトリオブジェクトを作成します。このディレクトリは、データベースで使用されるファイルの保存先を定義します。

CREATE DIRECTORY <DIRECTORYオブジェクト名> AS '<対応するパス>';

例: CREATE DIRECTORY dpump_dir AS '/home/oracle/dpump';

/path/to/directoryには、エクスポート・インポートファイルを格納するサーバー上の物理パスを指定します。

SQL> CREATE DIRECTORY dpump_dir AS '/home/oracle/dpump';

ディレクトリが作成されました。

SQL> select directory_name,directory_path from dba_directories
2 where directory_name = 'DPUMP_DIR';

DIRECTORY_NAME DIRECTORY_PATH
-------------------- --------------------------------------------------
DPUMP_DIR /home/oracle/dpump

2. ディレクトリへの読み書き権限の付与

次に、scottユーザーに作成したディレクトリオブジェクトへの読み書き権限を付与します。

GRANT READ, WRITE ON DIRECTORY <DIRECTORYオブジェクト名> TO <ユーザー名>;

例: GRANT READ, WRITE ON DIRECTORY dpump_dir TO scott;

これにより、scottユーザーはdpump_dirディレクトリを使用して、エクスポート・インポートを行うことができるようになります。

3. EXP_FULL_DATABASEとIMP_FULL_DATABASEの権限

データベース全体のエクスポートや他のスキーマを操作するためには、scottユーザーに以下の権限が必要です。

GRANT EXP_FULL_DATABASE TO scott;
GRANT IMP_FULL_DATABASE TO scott;


これにより、scottユーザーはデータベース全体のエクスポートやインポートを実行できるようになります。


Data Pumpの基本モード

Data Pumpは、目的に応じてエクスポート・インポートの範囲を調整できる複数のモードを提供しています。ここでは、3つの主要なモード(スキーマモード、表モード、フルモード)について説明します。

1. スキーマモード(SCHEMAモード)

スキーマモードでは、特定のスキーマ内のすべてのオブジェクト(テーブル、ビュー、インデックスなど)をエクスポートまたはインポートします。scottスキーマをバックアップする際に有効です。

スキーマモードでのエクスポート例

expdp <ユーザー名>/<パスワード> DIRECTORY=<DIRECTORYオブジェクト名> DUMPFILE=<ダンプファイル名> LOGFILE=<ログファイル名> SCHEMAS=<スキーマ名>

※スキーマモードは SCHEMAS=<スキーマ名> を指定する

例: expdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_schema.dmp LOGFILE=scott_schema_export.log SCHEMAS=scott

このコマンドは、scottスキーマ内のすべてのオブジェクトをscott_schema.dmpというダンプファイルにエクスポートします。

[oracle@v19single ~]$ expdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_schema.dmp LOGFILE=scott_schema_export.log SCHEMAS=scott

Export: Release 19.0.0.0.0 - Production on 木 10月 17 18:58:13 2024
Version 19.21.0.0.0

Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.

接続先: Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
"SCOTT"."SYS_EXPORT_SCHEMA_01"を起動しています: scott/******** DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_schema.dmp LOGFILE=scott_schema_export.log SCHEMAS=scott
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/STATISTICS/MARKERの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/USERの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/SYSTEM_GRANTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/ROLE_GRANTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/DEFAULT_ROLEの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/PRE_SCHEMA/PROCACT_SCHEMAの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/TABLEの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/COMMENTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/INDEX/INDEXの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/REF_CONSTRAINTの処理中です
. . "SCOTT"."BONUS" 0 KB 0行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."DEPT" 6.023 KB 4行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."EMP" 8.695 KB 12行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."SALGRADE" 5.953 KB 5行がエクスポートされました
マスター表"SCOTT"."SYS_EXPORT_SCHEMA_01"は正常にロード/アンロードされました
******************************************************************************
SCOTT.SYS_EXPORT_SCHEMA_01に設定されたダンプ・ファイルは次のとおりです:
/home/oracle/dpump/scott_schema.dmp
ジョブ"SCOTT"."SYS_EXPORT_SCHEMA_01"が木 10月 17 18:59:19 2024 elapsed 0 00:00:45で正常に完了しました

[oracle@v19single ~]$

スキーマモードでのインポート例

impdp <ユーザー名>/<パスワード> DIRECTORY=<DIRECTORYオブジェクト名> DUMPFILE=<ダンプファイル名> LOGFILE=<ログファイル名> SCHEMAS=<スキーマ名>

※スキーマモードは SCHEMAS=<スキーマ名> を指定する

例: impdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_schema.dmp LOGFILE=scott_schema_import.log SCHEMAS=scott

このコマンドは、エクスポートされたscottスキーマを同じデータベースまたは別のデータベースにインポートします。

[oracle@v19single ~]$ impdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_schema.dmp LOGFILE=scott_schema_import.log SCHEMAS=scott

Import: Release 19.0.0.0.0 - Production on 木 10月 17 18:59:50 2024
Version 19.21.0.0.0

Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.

接続先: Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
マスター表"SCOTT"."SYS_IMPORT_SCHEMA_01"は正常にロード/アンロードされました
"SCOTT"."SYS_IMPORT_SCHEMA_01"を起動しています: scott/******** DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_schema.dmp LOGFILE=scott_schema_import.log SCHEMAS=scott
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/USERの処理中です
ORA-31684: オブジェクト型USER:"SCOTT"はすでに存在します

オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/SYSTEM_GRANTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/ROLE_GRANTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/DEFAULT_ROLEの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/PRE_SCHEMA/PROCACT_SCHEMAの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/TABLEの処理中です
ORA-39151: 表"SCOTT"."EMP"が存在します。スキップのtable_exists_actionのため、すべての依存メタデータおよびデータはスキップされます

ORA-39151: 表"SCOTT"."SALGRADE"が存在します。スキップのtable_exists_actionのため、すべての依存メタデータおよびデータはスキップされます

ORA-39151: 表"SCOTT"."BONUS"が存在します。スキップのtable_exists_actionのため、すべての依存メタデータおよびデータはスキップされます

ORA-39151: 表"SCOTT"."DEPT"が存在します。スキップのtable_exists_actionのため、すべての依存メタデータおよびデータはスキップされます

オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/REF_CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型SCHEMA_EXPORT/STATISTICS/MARKERの処理中です
ジョブ"SCOTT"."SYS_IMPORT_SCHEMA_01"が完了しましたが、5エラーが木 10月 17 19:00:15 2024 elapsed 0 00:00:08で発生しています

[oracle@v19single ~]$

2. 表モード(TABLEモード)

表モードでは、特定のテーブルを選択してエクスポートまたはインポートします。例えば、scottスキーマ内のEMPDEPTテーブルだけをエクスポートしたい場合に役立ちます。

表モードでのエクスポート例

expdp <ユーザー名>/<パスワード> DIRECTORY=<DIRECTORYオブジェクト名> DUMPFILE=<ダンプファイル名> LOGFILE=<ログファイル名> TABLES=<テーブル名>

※表モードは TABLES=<テーブル名> を指定する

例: expdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_tables.dmp LOGFILE=scott_table_export.log TABLES=EMP,DEPT

このコマンドは、scottスキーマ内のEMPDEPTテーブルをエクスポートします。

[oracle@v19single ~]$ expdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_tables.dmp LOGFILE=scott_table_export.log TABLES=EMP,DEPT

Export: Release 19.0.0.0.0 - Production on 木 10月 17 19:03:43 2024
Version 19.21.0.0.0

Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.

接続先: Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
"SCOTT"."SYS_EXPORT_TABLE_01"を起動しています: scott/******** DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_tables.dmp LOGFILE=scott_table_export.log TABLES=EMP,DEPT
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/STATISTICS/MARKERの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/TABLEの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/REF_CONSTRAINTの処理中です
. . "SCOTT"."DEPT" 6.023 KB 4行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."EMP" 8.695 KB 12行がエクスポートされました
マスター表"SCOTT"."SYS_EXPORT_TABLE_01"は正常にロード/アンロードされました
******************************************************************************
SCOTT.SYS_EXPORT_TABLE_01に設定されたダンプ・ファイルは次のとおりです:
/home/oracle/dpump/scott_tables.dmp
ジョブ"SCOTT"."SYS_EXPORT_TABLE_01"が木 10月 17 19:04:23 2024 elapsed 0 00:00:18で正常に完了しました

[oracle@v19single ~]$

表モードでのインポート例

impdp <ユーザー名>/<パスワード> DIRECTORY=<DIRECTORYオブジェクト名> DUMPFILE=<ダンプファイル名> LOGFILE=<ログファイル名> TABLES=<テーブル名>

※表モードは TABLES=<テーブル名> を指定する

例: impdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_tables.dmp LOGFILE=scott_table_import.log TABLES=EMP,DEPT

このコマンドで、エクスポートしたEMPDEPTテーブルをインポートします。

[oracle@v19single ~]$ impdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_tables.dmp LOGFILE=scott_table_import.log TABLES=EMP,DEPT

Import: Release 19.0.0.0.0 - Production on 木 10月 17 19:04:46 2024
Version 19.21.0.0.0

Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.

接続先: Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
マスター表"SCOTT"."SYS_IMPORT_TABLE_01"は正常にロード/アンロードされました
"SCOTT"."SYS_IMPORT_TABLE_01"を起動しています: scott/******** DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_tables.dmp LOGFILE=scott_table_import.log TABLES=EMP,DEPT
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/TABLEの処理中です
ORA-39151: 表"SCOTT"."EMP"が存在します。スキップのtable_exists_actionのため、すべての依存メタデータおよびデータはスキップされます

ORA-39151: 表"SCOTT"."DEPT"が存在します。スキップのtable_exists_actionのため、すべての依存メタデータおよびデータはスキップされます

オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/CONSTRAINT/REF_CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型TABLE_EXPORT/TABLE/STATISTICS/MARKERの処理中です
ジョブ"SCOTT"."SYS_IMPORT_TABLE_01"が完了しましたが、2エラーが木 10月 17 19:05:07 2024 elapsed 0 00:00:04で発生しています

[oracle@v19single ~]$

3. フルモード(FULLモード)

フルモードでは、データベース全体をエクスポート・インポートします。データベースのフルバックアップや他の環境への移行時に使用されます。

フルモードでのエクスポート例

expdp <ユーザー名>/<パスワード> DIRECTORY=<DIRECTORYオブジェクト名> DUMPFILE=<ダンプファイル名> LOGFILE=<ログファイル名> FULL=Y

※フルモードは FULL=Y を指定する

例: expdp system/password DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=full_db.dmp LOGFILE=full_db_export.log FULL=Y

このコマンドは、データベース全体をfull_db.dmpというダンプファイルにエクスポートします。

[oracle@v19single ~]$ expdp system/oracle DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=full_db.dmp LOGFILE=full_db_export.log FULL=Y

Export: Release 19.0.0.0.0 - Production on 木 10月 17 19:06:20 2024
Version 19.21.0.0.0

Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.

UDE-28002: 操作でOracleエラー28002が発生しました
ORA-28002: the password will expire within 7 days

接続先: Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
"SYSTEM"."SYS_EXPORT_FULL_01"を起動しています: system/******** DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=full_db.dmp LOGFILE=full_db_export.log FULL=Y
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/EARLY_OPTIONS/VIEWS_AS_TABLES/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/NORMAL_OPTIONS/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/NORMAL_OPTIONS/VIEWS_AS_TABLES/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/STATISTICS/MARKERの処理中です

:

. . "WMSYS"."WM$EXP_MAP" 7.718 KB 3行がエクスポートされました
. . "WMSYS"."WM$METADATA_MAP" 0 KB 0行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."BONUS" 0 KB 0行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."DEPT" 6.023 KB 4行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."EMP" 8.695 KB 12行がエクスポートされました
. . "SCOTT"."SALGRADE" 5.953 KB 5行がエクスポートされました
マスター表"SYSTEM"."SYS_EXPORT_FULL_01"は正常にロード/アンロードされました
******************************************************************************
SYSTEM.SYS_EXPORT_FULL_01に設定されたダンプ・ファイルは次のとおりです:
/home/oracle/dpump/full_db.dmp
ジョブ"SYSTEM"."SYS_EXPORT_FULL_01"が木 10月 17 19:08:57 2024 elapsed 0 00:02:20で正常に完了しました

[oracle@v19single ~]$

フルモードでのインポート例

impdp <ユーザー名>/<パスワード> DIRECTORY=<DIRECTORYオブジェクト名> DUMPFILE=<ダンプファイル名> LOGFILE=<ログファイル名> FULL=Y

※フルモードは FULL=Y を指定する

例: impdp system/password DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=full_db.dmp LOGFILE=full_db_import.log FULL=Y

このコマンドは、データベース全体をインポートします。

[oracle@v19single ~]$ impdp system/oracle DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=full_db.dmp LOGFILE=full_db_import.log FULL=Y

Import: Release 19.0.0.0.0 - Production on 木 10月 17 19:10:00 2024
Version 19.21.0.0.0

Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.

UDI-28002: 操作でOracleエラー28002が発生しました
ORA-28002: the password will expire within 7 days

接続先: Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
マスター表"SYSTEM"."SYS_IMPORT_FULL_01"は正常にロード/アンロードされました
"SYSTEM"."SYS_IMPORT_FULL_01"を起動しています: system/******** DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=full_db.dmp LOGFILE=full_db_import.log FULL=Y
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/PRE_SYSTEM_IMPCALLOUT/MARKERの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/PRE_INSTANCE_IMPCALLOUT/MARKERの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/TABLESPACEの処理中です

:

オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/TABLE_DATAの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/CONSTRAINT/CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/INDEX/STATISTICS/INDEX_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/CONSTRAINT/REF_CONSTRAINTの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/TABLE/STATISTICS/TABLE_STATISTICSの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/STATISTICS/MARKERの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/FINAL_POST_INSTANCE_IMPCALLOUT/MARKERの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/SCHEMA/POST_SCHEMA/PROCACT_SCHEMAの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/AUDIT_UNIFIED/AUDIT_POLICY_ENABLEの処理中です
オブジェクト型DATABASE_EXPORT/POST_SYSTEM_IMPCALLOUT/MARKERの処理中です
ジョブ"SYSTEM"."SYS_IMPORT_FULL_01"が完了しましたが、9エラーが木 10月 17 19:11:18 2024 elapsed 0 00:01:02で発生しています

[oracle@v19single ~]$

Data Pumpの便利なオプション

Data Pumpは、柔軟なデータ移行を可能にするために多くのオプションを提供しています。以下は、よく使用されるオプションの一部です。

1. パラレル処理(PARALLEL)

PARALLELオプションを使用して、複数のプロセスを同時に実行することで、エクスポートやインポートの速度を大幅に向上させます。

expdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_parallel.dmp LOGFILE=scott_parallel_export.log SCHEMAS=scott PARALLEL=4

この例では、4つの並行プロセスを使ってscottスキーマをエクスポートします。

2. CONTENTオプション

CONTENTオプションを使用して、エクスポート・インポートするデータの範囲を指定します。

  • ALL(デフォルト): メタデータとデータの両方をエクスポート
  • DATA_ONLY: データのみをエクスポート
  • METADATA_ONLY: メタデータのみをエクスポート

expdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_data_only.dmp LOGFILE=scott_data_export.log SCHEMAS=scott CONTENT=DATA_ONLY

このコマンドでは、データのみをエクスポートします。

3. INCLUDE/EXCLUDEオプション

特定のオブジェクトだけをエクスポート・インポートしたい場合や、逆に除外したい場合にINCLUDEEXCLUDEオプションを使用します。

例: 特定のオブジェクトを除外する

expdp scott/tiger DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=scott_exclude.dmp LOGFILE=scott_exclude_export.log SCHEMAS=scott EXCLUDE=TABLE:"='EMP'"

このコマンドでは、EMPテーブルを除外して、その他のオブジェクトをエクスポートします。


Data Pumpのトラブルシューティング

1. ORA-39002: invalid operation

Data Pumpジョブの実行に失敗するときに表示されるエラーです。多くの場合、ディレクトリオブジェクトや権限に問題があります。

対処法:

  • 正しいディレクトリを作成し、ユーザーに読み書き権限を付与します。

CREATE DIRECTORY dpump_dir AS '/path/to/directory';
GRANT READ, WRITE ON DIRECTORY dpump_dir TO scott;

2. ORA-31655: no data or metadata objects selected

エクスポート・インポートの対象が見つからない場合に発生するエラーです。スキーマやテーブルが存在しない可能性があります。

対処法:

  • SCHEMASTABLESオプションで指定した対象が正しいか確認します。

まとめ

Oracle Data Pumpは、大規模なデータ移行やバックアップ、データベースの一部のエクスポート・インポートに非常に有効なツールです。scottスキーマを例に基本的な操作や権限の設定方法、スキーマモード、表モード、フルモードといったさまざまなモードでのエクスポート・インポートについて学びました。

Data Pumpを正しく活用することで、データベース管理がより効率的になり、運用や保守がスムーズに行えるようになります。

[参考]
ユーティリティ – 2 Oracle Data Pumpエクスポート
ユーティリティ – 3 Oracleデータ・ポンプ・インポート

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