LinuxやUnix系のシステムでOracleデータベースを使用する際、テキストエディタとして「vi」や「vim(Vi IMproved)」を使用する機会が多いです。viは軽量かつ強力なテキストエディタですが、初めて使う方にとっては少し複雑に感じるかもしれません。この記事では、viエディタの基本的な使い方と、実際に listener.ora
や tnsnames.ora
ファイルを作成する手順について詳しく説明します。
viコマンドはオラクルを使用する上でもよく使用するコマンドだと思います。
1. viとは?
viはUnixベースのシステムに標準搭載されているテキストエディタで、主に「コマンドモード」と「挿入モード」の2つのモードを使って操作します。
- コマンドモード:テキストの保存、カーソルの移動、削除などを行います。
- 挿入モード:テキストを編集・追加します。
2. viの起動方法
viを起動するには、ターミナルで以下のコマンドを入力します。
vi ファイル名
たとえば、新しく tnsnames.ora
を作成する場合は次のように入力します。
vi /path/to/tnsnames.ora
3. モードの切り替え
- コマンドモードに入る:viを起動すると最初にコマンドモードになります。
- 挿入モードに切り替える:
i
キーを押すと挿入モードになり、テキストを編集できます。 - コマンドモードに戻る:
Esc
キーを押すと挿入モードからコマンドモードに戻ります。
4. 基本的なテキスト編集コマンド
テキストを編集中に使える基本的なコマンドを覚えておくと便利です。
4.1 挿入と編集
i
:カーソルの前に挿入(挿入モードに入る)I
:行の先頭に挿入a
:カーソルの後ろに挿入A
:行の最後に追加
4.2 削除
x
:カーソル位置の文字を削除dd
:カーソル行全体を削除d$
:カーソルから行末まで削除D
:カーソル行の全てを削除(同様に行末まで)
4.3 コピーとペースト
yy
:カーソル行をコピー(ヤンク)p
:コピーした行をペーストP
:カーソルの前にペースト
4.4 取り消しとやり直し
u
:直前の操作を取り消す(Undo)Ctrl + r
:取り消しの取り消し(Redo)
4.5 カーソルの移動
h
:左に移動j
:下に移動k
:上に移動l
:右に移動w
:次の単語の先頭に移動b
:前の単語の先頭に移動0
:行の先頭に移動$
:行の末尾に移動
5. listener.ora の作成例
listener.ora
はOracleデータベースのリスナー設定ファイルです。以下の手順で作成します。
1.viでファイルを開く:
vi $ORACLE_HOME/admin/listener.ora
2.挿入モードに切り替える:i
キーを押して次の内容を入力します。
LISTENER =
(DESCRIPTION_LIST =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = localhost)(PORT = 1521))
)
)
3.保存して終了する:Esc
キーを押してコマンドモードに戻り、:wq
と入力して保存して終了します。
6. tnsnames.ora の作成例
tnsnames.ora
はOracleクライアントがデータベースに接続する際に使用される接続情報を設定するファイルです。
1.viでファイルを開く:
vi $ORACLE_HOME/admin/tnsnames.ora
2.挿入モードに切り替える:i
キーを押して次の内容を入力します。
ORCL =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS_LIST =
(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = localhost)(PORT = 1521))
)
(CONNECT_DATA =
(SERVICE_NAME = orcl)
)
)
3.保存して終了する:Esc
キーを押してコマンドモードに戻り、:wq
で保存して終了します。
7. まとめ
viエディタを効率的に使用するためには、モードの切り替えと基本的なコマンドを覚えることが重要です。特に、Oracleの listener.ora
や tnsnames.ora
のような設定ファイルを編集する際、viの基本操作を理解していればスムーズに作業が進みます。まずは基本コマンドから練習して、少しずつ使いこなしていきましょう。
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