列の未使用化とそのメリット、および領域開放の方法

Oracle Master Silver

Oracleデータベースでは、テーブルから不要になった列を直接削除するのではなく、まず「未使用化(Unused)」することが可能です。この機能を利用することで、列を即座に利用不能にし、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えることができます。本記事では、列の未使用化の方法、そのメリット、未使用化した列を完全に削除して領域を解放する手順について、実務での活用事例も交えながら詳しく説明します。また、視覚的な図解やパフォーマンス比較を用いて、さらに分かりやすく解説します。

💰 【PR】Oracleエンジニアの市場価値、調べてみませんか?

Oracleのスキルは需要が高く、特定の資格や経験を持っていると年収が大幅にアップするケースがあります。まずはIT専門のエージェントで非公開求人をチェックしてみませんか?


1. 列を未使用化する

列を未使用化することで、その列は論理的に削除され、アプリケーションからアクセスできなくなります。ただし、実際のデータはテーブル内に残っています。

実行例

以下のSQL文で、テーブルの列を未使用化します。

-- テーブルの作成
CREATE TABLE employees (
    emp_id NUMBER,
    emp_name VARCHAR2(100),
    emp_salary NUMBER,
    emp_address VARCHAR2(200)
);

-- データの挿入
INSERT INTO employees VALUES (1, 'Taro Yamada', 500000, 'Tokyo');
INSERT INTO employees VALUES (2, 'Hanako Sato', 600000, 'Osaka');
COMMIT;

-- 列の未使用化
ALTER TABLE employees SET UNUSED COLUMN emp_address;

-- 確認: 未使用化された列は以下で表示される
SELECT OWNER, TABLE_NAME, COUNT FROM DBA_UNUSED_COL_TABS WHERE TABLE_NAME = 'EMPLOYEES';

フローチャート

以下の図は、未使用化の流れを示しています。

+----------------------+       +----------------------+       +-------------------------+
| 列を未使用化する操作 | --->  | 列は論理的に非表示化 | --->  | データは物理的に残る     |
+----------------------+       +----------------------+       +-------------------------+

未使用化された列は、user_unused_col_tabsビューで確認できます。また、この段階ではデータが物理的に削除されていないため、すぐにデータ領域の解放は行われません。


2. 列を未使用化するメリット

未使用化機能には以下のような利点があります:

  1. 即座に列を利用不能にできる: テーブル構造を変更する必要がなく、ロックの影響を最小限に抑えることができます。
  2. 安全性の向上: データを即座に非表示にし、不要な列へのアクセスを防ぐことができます。
  3. 段階的な削除が可能: 未使用化した列を保持しておき、必要に応じて最終的に削除できます。
  4. 業務への影響を軽減: 大規模なテーブルにおいても、列を未使用化する操作は軽量で、ユーザーへの影響が少なく済みます。
  5. パフォーマンスへの影響を最小化: テーブル全体の再編成を避けるため、データベース操作が高速に行えます。

3. 未使用化した列を削除し、領域を開放する

未使用化された列を削除することで、物理的な領域を解放できます。以下のコマンドで未使用化した列を完全に削除します。

実行例

-- 未使用化された列の削除
ALTER TABLE employees DROP UNUSED COLUMNS;

-- 領域の確認
SELECT segment_name, bytes/1024/1024 AS size_mb FROM user_segments WHERE segment_name = 'EMPLOYEES';

削除前後のストレージ使用量比較

以下は、削除前後のストレージ使用量の変化例です。

操作前のサイズ(MB)操作後のサイズ(MB)
5040

この操作により、不要になった列が物理的に削除され、テーブルのストレージ領域が解放されます。ただし、断片化を防ぐため、削除後にテーブルの再編成(例えばALTER TABLE MOVE)を検討してください。


4. 実務での活用例と注意点

活用例

  • 段階的な列削除: 開発中のアプリケーションで、不要な列を即座に非表示にし、他の機能のテスト後に安全に削除できます。
  • データセキュリティの向上: 機密性の高いデータを含む列を未使用化することで、誤ったアクセスを防ぎます。
  • 大規模テーブルの管理: 大量のデータを含むテーブルで、再編成を避けながら不要な列を効率的に管理できます。

注意点

  • バックアップの取得: 列を未使用化する前に、念のためテーブルのバックアップを取得することを推奨します。
  • 未使用化できない場合: 主キーや外部キーに関連付けられている列は未使用化できません。これらの制約を一時的に無効化する方法を検討してください。
  • 頻繁な操作は非推奨: 領域解放を頻繁に行うと、断片化が発生する可能性があります。適切な計画のもとで実行してください。
  • パフォーマンスへの影響: 未使用化後、削除するまでの間に不要な列がストレージを占有するため、必要に応じて迅速に削除することが重要です。

5. 未使用化および削除操作のベストプラクティス

  • 計画的な未使用化: 未使用化する列を事前に特定し、業務時間外に実施することで影響を最小限に抑える。
  • 依存関係の確認: 外部キーやビュー、プロシージャなどが未使用化する列を参照していないか確認する。
  • 削除後の再編成: 削除後はテーブルの断片化を防ぐため、再編成や統計情報の更新を行う。
  • ログの記録: 操作内容をログとして記録し、トラブルシューティングや将来の参考に活用する。

まとめ

列の未使用化と削除は、テーブルの構造変更やデータ管理において柔軟性を提供します。未使用化を利用することで、即座に列を非表示にし、最終的に削除して領域を効率的に管理することが可能です。また、未使用化を通じて業務の影響を最小限に抑えながら、安全かつ計画的にデータ管理を行えます。さらに、ストレージの節約効果や具体的な活用例を踏まえることで、データベース管理の効率化を目指す上で有用なツールとなります。この機能を活用し、データベース管理の最適化をぜひ実現してください。

[参考]
Oracle Database SQL言語リファレンス 19c

💰 【PR】Oracleエンジニアの市場価値、調べてみませんか?

Oracleのスキルは需要が高く、特定の資格や経験を持っていると年収が大幅にアップするケースがあります。まずはIT専門のエージェントで非公開求人をチェックしてみませんか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました