Oracleデータベースでは、テーブルから不要になった列を直接削除するのではなく、まず「未使用化(Unused)」することが可能です。この機能を利用することで、列を即座に利用不能にし、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えることができます。本記事では、列の未使用化の方法、そのメリット、未使用化した列を完全に削除して領域を解放する手順について、実務での活用事例も交えながら詳しく説明します。また、視覚的な図解やパフォーマンス比較を用いて、さらに分かりやすく解説します。
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1. 列を未使用化する
列を未使用化することで、その列は論理的に削除され、アプリケーションからアクセスできなくなります。ただし、実際のデータはテーブル内に残っています。
実行例
以下のSQL文で、テーブルの列を未使用化します。
-- テーブルの作成
CREATE TABLE employees (
emp_id NUMBER,
emp_name VARCHAR2(100),
emp_salary NUMBER,
emp_address VARCHAR2(200)
);
-- データの挿入
INSERT INTO employees VALUES (1, 'Taro Yamada', 500000, 'Tokyo');
INSERT INTO employees VALUES (2, 'Hanako Sato', 600000, 'Osaka');
COMMIT;
-- 列の未使用化
ALTER TABLE employees SET UNUSED COLUMN emp_address;
-- 確認: 未使用化された列は以下で表示される
SELECT OWNER, TABLE_NAME, COUNT FROM DBA_UNUSED_COL_TABS WHERE TABLE_NAME = 'EMPLOYEES';
フローチャート
以下の図は、未使用化の流れを示しています。
+----------------------+ +----------------------+ +-------------------------+
| 列を未使用化する操作 | ---> | 列は論理的に非表示化 | ---> | データは物理的に残る |
+----------------------+ +----------------------+ +-------------------------+
未使用化された列は、user_unused_col_tabsビューで確認できます。また、この段階ではデータが物理的に削除されていないため、すぐにデータ領域の解放は行われません。
2. 列を未使用化するメリット
未使用化機能には以下のような利点があります:
- 即座に列を利用不能にできる: テーブル構造を変更する必要がなく、ロックの影響を最小限に抑えることができます。
- 安全性の向上: データを即座に非表示にし、不要な列へのアクセスを防ぐことができます。
- 段階的な削除が可能: 未使用化した列を保持しておき、必要に応じて最終的に削除できます。
- 業務への影響を軽減: 大規模なテーブルにおいても、列を未使用化する操作は軽量で、ユーザーへの影響が少なく済みます。
- パフォーマンスへの影響を最小化: テーブル全体の再編成を避けるため、データベース操作が高速に行えます。
3. 未使用化した列を削除し、領域を開放する
未使用化された列を削除することで、物理的な領域を解放できます。以下のコマンドで未使用化した列を完全に削除します。
実行例
-- 未使用化された列の削除
ALTER TABLE employees DROP UNUSED COLUMNS;
-- 領域の確認
SELECT segment_name, bytes/1024/1024 AS size_mb FROM user_segments WHERE segment_name = 'EMPLOYEES';
削除前後のストレージ使用量比較
以下は、削除前後のストレージ使用量の変化例です。
| 操作前のサイズ(MB) | 操作後のサイズ(MB) |
|---|---|
| 50 | 40 |
この操作により、不要になった列が物理的に削除され、テーブルのストレージ領域が解放されます。ただし、断片化を防ぐため、削除後にテーブルの再編成(例えばALTER TABLE MOVE)を検討してください。
4. 実務での活用例と注意点
活用例
- 段階的な列削除: 開発中のアプリケーションで、不要な列を即座に非表示にし、他の機能のテスト後に安全に削除できます。
- データセキュリティの向上: 機密性の高いデータを含む列を未使用化することで、誤ったアクセスを防ぎます。
- 大規模テーブルの管理: 大量のデータを含むテーブルで、再編成を避けながら不要な列を効率的に管理できます。
注意点
- バックアップの取得: 列を未使用化する前に、念のためテーブルのバックアップを取得することを推奨します。
- 未使用化できない場合: 主キーや外部キーに関連付けられている列は未使用化できません。これらの制約を一時的に無効化する方法を検討してください。
- 頻繁な操作は非推奨: 領域解放を頻繁に行うと、断片化が発生する可能性があります。適切な計画のもとで実行してください。
- パフォーマンスへの影響: 未使用化後、削除するまでの間に不要な列がストレージを占有するため、必要に応じて迅速に削除することが重要です。
5. 未使用化および削除操作のベストプラクティス
- 計画的な未使用化: 未使用化する列を事前に特定し、業務時間外に実施することで影響を最小限に抑える。
- 依存関係の確認: 外部キーやビュー、プロシージャなどが未使用化する列を参照していないか確認する。
- 削除後の再編成: 削除後はテーブルの断片化を防ぐため、再編成や統計情報の更新を行う。
- ログの記録: 操作内容をログとして記録し、トラブルシューティングや将来の参考に活用する。
まとめ
列の未使用化と削除は、テーブルの構造変更やデータ管理において柔軟性を提供します。未使用化を利用することで、即座に列を非表示にし、最終的に削除して領域を効率的に管理することが可能です。また、未使用化を通じて業務の影響を最小限に抑えながら、安全かつ計画的にデータ管理を行えます。さらに、ストレージの節約効果や具体的な活用例を踏まえることで、データベース管理の効率化を目指す上で有用なツールとなります。この機能を活用し、データベース管理の最適化をぜひ実現してください。
[参考]
Oracle Database SQL言語リファレンス 19c
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