Oracleデータベースのアーカイブログモード(ARCHIVELOGモード)とは、データベースのREDOログファイルをアーカイブ(保存)し、障害発生時のリカバリを可能にする設定のことです。
アーカイブログモードを有効にすることで、以下のメリットがあります。
- ポイントインタイムリカバリ(PITR)が可能:特定の時点にデータベースを復旧できる
- オンラインバックアップが可能:データベースが稼働中でもバックアップが取得可能
- データ保護の強化:REDOログの履歴が保存されるため、障害時のデータ損失を防げる
- ディザスタリカバリの強化:アーカイブログを遠隔地に送信することで、災害対策としても有効
- 増分バックアップの活用:RMANの増分バックアップを使用する際に必要
- リカバリ時間の短縮:REDOログの情報を利用して、より迅速に障害復旧が可能
- データ整合性の確保:REDOログとともにトランザクションの整合性を維持しながら復旧可能
💰 【PR】Oracleエンジニアの市場価値、調べてみませんか?
Oracleのスキルは需要が高く、特定の資格や経験を持っていると年収が大幅にアップするケースがあります。まずはIT専門のエージェントで非公開求人をチェックしてみませんか?
アーカイブログモードの確認
現在のデータベースがアーカイブログモードかどうかを確認するには、以下のSQLを実行します。
SELECT LOG_MODE FROM V$DATABASE;
出力例
| LOG_MODE |
|---|
| NOARCHIVELOG |
この場合、データベースはアーカイブログモードではなく、NOARCHIVELOGモードで動作しています。
アーカイブログモードの有効化手順
アーカイブログモードを有効にする手順は以下の通りです。
1. データベースのマウントモードへの変更
アーカイブログモードの変更はマウント状態で行う必要があります。そのため、一旦データベースをシャットダウンし、マウントモードで起動します。
SHUTDOWN IMMEDIATE;
STARTUP MOUNT;
2. アーカイブログモードの有効化
次に、以下のコマンドを実行してアーカイブログモードを有効にします。
ALTER DATABASE ARCHIVELOG;
3. データベースのオープン
アーカイブログモードの変更後、データベースをオープンします。
ALTER DATABASE OPEN;
4. アーカイブログの保存先の確認・設定
アーカイブログが適切に保存されるように、LOG_ARCHIVE_DESTパラメータを確認・設定します。
SHOW PARAMETER LOG_ARCHIVE_DEST;
変更する場合は、次のように設定します。
ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST='/u01/app/oracle/archivelog' SCOPE=SPFILE;
変更を適用するために、データベースを再起動してください。
SHUTDOWN IMMEDIATE;
STARTUP;
ノーアーカイブログモード(NOARCHIVELOGモード)への変更
アーカイブログモードを無効にしてNOARCHIVELOGモードへ変更する場合、以下の手順を実施します。
1. データベースのマウントモードへの変更
NOARCHIVELOGモードへ変更するためには、一旦データベースをマウントモードにする必要があります。
SHUTDOWN IMMEDIATE;
STARTUP MOUNT;
2. NOARCHIVELOGモードへの変更
以下のコマンドを実行して、NOARCHIVELOGモードへ変更します。
ALTER DATABASE NOARCHIVELOG;
3. データベースのオープン
NOARCHIVELOGモードの変更後、データベースをオープンします。
ALTER DATABASE OPEN;
アーカイブログモードにする際の注意事項
アーカイブログモードを有効にする際には、以下の点に注意が必要です。
- ディスク容量の管理:アーカイブログが増えるとディスクが圧迫されるため、定期的に削除またはバックアップを行う。
- バックアップ戦略の確立:アーカイブログモードでは定期的なバックアップが必須。
- アーカイブ先の監視:
LOG_ARCHIVE_DESTの設定を適切に行い、障害発生時にリカバリが可能か確認。 - パフォーマンスへの影響:アーカイブログの生成により、書き込み負荷が増加する可能性がある。
- アーカイブログの適用チェック:
V$ARCHIVED_LOGビューを定期的に確認し、アーカイブログが適切に適用されているか監視。 - 障害時の対応計画:アーカイブログを用いたリカバリ手順を事前に確立しておく。
- 自動管理の導入:RMANを活用してアーカイブログの管理を自動化し、手動管理の負担を軽減する。
まとめ
アーカイブログモードは、データの保護や障害復旧の観点から非常に重要な設定です。特に、業務データを扱う本番環境ではアーカイブログモードを有効にして運用することが強く推奨されます。
アーカイブログモードを適切に活用することで、障害発生時のデータ損失を最小限に抑え、迅速なリカバリを実現できます。そのためには、定期的なバックアップ、ディスク容量の監視、適切な運用計画が不可欠です。
一方で、テスト環境やバックアップを不要とする環境では、NOARCHIVELOGモードの方が適している場合もあります。運用要件に応じて適切なモードを選択し、最適なデータベース管理を行いましょう。
[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c




コメント