Oracle Database で RMAN を使用してバックアップを取得する際、バックアップの出力先デバイス、出力先ディレクトリ、ファイル名を適切に指定することが重要です。本記事では、それらの設定方法について解説します。
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1. 出力先デバイスの指定
RMAN では、バックアップの出力先として以下のデバイスを指定できます。
- ディスク(Disk)
- テープ(SBT: System Backup to Tape)
ディスクへのバックアップ
デフォルトでは、RMAN はディスクにバックアップを作成します。出力先を明示的に指定する場合は FORMAT 句を使用します。
BACKUP DATABASE FORMAT '/u01/app/oracle/backup/%U';
%U は RMAN により自動生成される一意のファイル名です。
RMAN> BACKUP DATABASE FORMAT '/u01/app/oracle/backup/%U'; ★
backupを25-02-04で開始しています
リカバリ・カタログのかわりにターゲット・データベース制御ファイルを使用しています
チャネル: ORA_DISK_1が割り当てられました
チャネルORA_DISK_1: SID=96 デバイス・タイプ=DISK
チャネルORA_DISK_1: フル・データファイル・バックアップ・セットを開始しています
チャネルORA_DISK_1: バックアップ・セットにデータファイルを指定しています
入力データファイル ファイル番号=00001 名前=/u01/app/oracle/oradata/V19/system01.dbf
入力データファイル ファイル番号=00003 名前=/u01/app/oracle/oradata/V19/sysaux01.dbf
入力データファイル ファイル番号=00004 名前=/u01/app/oracle/oradata/V19/undotbs01.dbf
入力データファイル ファイル番号=00007 名前=/u01/app/oracle/oradata/V19/users01.dbf
チャネルORA_DISK_1: ピース1 (25-02-04)を起動します
チャネルORA_DISK_1: ピース1 (25-02-04)が完了しました
ピース・ハンドル=/u01/app/oracle/backup/013h020j_1_1_1 タグ=TAG20250204T234938 コメント=NONE
チャネルORA_DISK_1: バックアップ・セットが完了しました。経過時間: 00:00:25
backupを25-02-04で終了しました
Control File and SPFILE Autobackupを25-02-04で開始しています
ピース・ハンドル=/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1/dbs/c-2957249400-20250204-00 コメント=NONE
Control File and SPFILE Autobackupを25-02-04で終了しました
RMAN> list backup;
バックアップ・セットのリスト
===================
BS Key Type LV Size Device Type Elapsed Time 終了時間
------- ---- -- ---------- ----------- ------------ --------
1 Full 2.26G DISK 00:00:23 25-02-04
BPキー: 1 ステータス: AVAILABLE 圧縮: NO タグ: TAG20250204T234938
ピース名: /u01/app/oracle/backup/013h020j_1_1_1 ★
バックアップ・セット1のデータファイルのリスト
File LV Type Ckp SCN Ckp時間 Abs Fuz SCN Sparse Name
---- -- ---- ---------- -------- ----------- ------ ----
1 Full 2274274 25-02-04 NO /u01/app/oracle/oradata/V19/system01.dbf
3 Full 2274274 25-02-04 NO /u01/app/oracle/oradata/V19/sysaux01.dbf
4 Full 2274274 25-02-04 NO /u01/app/oracle/oradata/V19/undotbs01.dbf
7 Full 2274274 25-02-04 NO /u01/app/oracle/oradata/V19/users01.dbf
BS Key Type LV Size Device Type Elapsed Time 終了時間
------- ---- -- ---------- ----------- ------------ --------
2 Full 10.20M DISK 00:00:00 25-02-04
BPキー: 2 ステータス: AVAILABLE 圧縮: NO タグ: TAG20250204T235004
ピース名: /u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1/dbs/c-2957249400-20250204-00
SPFILEも含まれます: 修正時間: 25-02-04
SPFILE db_unique_name: V19
含まれている制御ファイル: Ckp SCN: 2274294 Ckp時間: 25-02-04
テープデバイス(SBT)へのバックアップ
テープデバイスにバックアップを出力する場合、SBT を指定します。
BACKUP DATABASE DEVICE TYPE SBT;
テープ装置の設定には、メディア管理ライブラリ(Media Management Library, MML)の設定が必要です。
2. 出力先ディレクトリの指定
バックアップの保存先ディレクトリを指定するには、CONFIGURE CHANNEL を使用して事前にデフォルトの出力先を設定できます。
CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE DISK FORMAT '/u01/app/oracle/backup/%U';
この設定を行うことで、明示的に FORMAT を指定しなくても、BACKUP DATABASE; で /u01/app/oracle/backup/ にバックアップが作成されます。
FRA(Fast Recovery Area)へのバックアップ
FRA にバックアップを保存する場合は、以下のように FORMAT を DB_RECOVERY_FILE_DEST に依存する形式に設定します。
CONFIGURE CHANNEL DEVICE TYPE DISK FORMAT '"%F"';
%F は FRA に適した形式でファイル名を自動生成します。
3. バックアップファイル名の指定
バックアップファイル名は FORMAT 句を使用してカスタマイズできます。以下のプレースホルダーを使用できます。
| プレースホルダー | 説明 |
|---|---|
%d | データベース名 |
%t | バックアップセットのタイムスタンプ |
%s | バックアップセットのシーケンス番号 |
%p | バックアップピース番号 |
%U | 一意のファイル名 |
%T | 年月日(YYYYMMDD) |
%I | DBID(データベース識別子) |
%c | コピー番号 |
%D | 日(DD) |
例: ファイル名にデータベース名とタイムスタンプを含める
BACKUP DATABASE FORMAT '/u01/app/oracle/backup/%d_%t_%s_%p.bkp';
この例では、ファイル名が ORCL_1234567890_1_1.bkp のような形式になります。
例: 年月日を含めたバックアップファイル名
BACKUP DATABASE FORMAT '/u01/app/oracle/backup/%d_%T_%s.bkp';
この例では、ファイル名が ORCL_20240204_1.bkp のような形式になります。
例: DBID を含めたバックアップファイル名
BACKUP DATABASE FORMAT '/u01/app/oracle/backup/%d_%I_%s.bkp';
この例では、ファイル名が ORCL_123456789_1.bkp のような形式になります。
4. マルチプルチャネルとファイルの分散
複数の出力先を指定する場合、CONFIGURE CHANNEL で複数のチャネルを設定できます。
RUN {
ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE DISK FORMAT '/u01/app/oracle/backup1/%U';
ALLOCATE CHANNEL c2 DEVICE TYPE DISK FORMAT '/u02/app/oracle/backup2/%U';
BACKUP DATABASE;
}
この設定では、2 つの異なるディレクトリ /u01/app/oracle/backup1/ および /u02/app/oracle/backup2/ にバックアップが分散して格納されます。
5. まとめ
- 出力先デバイスは
DISKまたはSBT_TAPEを選択可能。 CONFIGURE CHANNELを使用してデフォルトのバックアップ先を設定できる。FORMAT句を活用してディレクトリやファイル名のカスタマイズが可能。%U,%d,%t,%T,%Iなどのプレースホルダーを利用して一意のバックアップファイル名を設定。- 複数のチャネルを設定してバックアップファイルを分散保存可能。
これらの設定を適切に活用することで、効率的なバックアップ管理が可能になります。
[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c
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