RMANのCONFIGUREコマンドで制御ファイルの自動バックアップとバックアップの最適化を設定する

はじめに

Oracle Databaseのバックアップとリカバリを効率的に行うために、RMAN（Recovery Manager）のCONFIGUREコマンドを活用することが重要です。本記事では、制御ファイルの自動バックアップ設定とバックアップの最適化設定について、実践的なコマンド例と運用時の注意点を含めて詳細に解説します。

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制御ファイルの自動バックアップ設定

なぜ制御ファイルの自動バックアップが必要なのか？

制御ファイル（Control File）は、データベースの構成情報やバックアップ履歴などの重要な情報を管理しています。万が一制御ファイルが破損または紛失すると、リカバリが困難になります。そのため、RMANで制御ファイルを自動バックアップする設定を行うことが推奨されます。

設定方法

RMANのCONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUPコマンドを使用すると、自動バックアップを有効にできます。

設定手順

RMANを起動
自動バックアップを有効化
設定の確認
実際のバックアップ動作の確認

コマンド例

RMAN> CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP ON;
RMAN> SHOW CONTROLFILE AUTOBACKUP;

この設定により、データベースのバックアップが取得されるたびに、制御ファイルが自動的にバックアップされます。

バックアップの保存場所の指定

デフォルトでは、制御ファイルの自動バックアップはフラッシュリカバリ領域（FRA）に保存されます。保存先を変更するには、以下のコマンドを使用します。

RMAN> CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK TO '/backup/%F';

%F は自動的に生成されるファイル名を示します。

設定後の動作確認

設定後、以下のコマンドで制御ファイルのバックアップが適切に取得されるか確認します。

RMAN> BACKUP DATABASE;
RMAN> LIST BACKUP OF CONTROLFILE;

バックアップの最適化設定

なぜバックアップの最適化が必要なのか？

通常、RMANはすべてのデータをバックアップしますが、既にバックアップ済みのデータを再度バックアップするのは無駄です。バックアップの最適化を設定することで、不要なバックアップを抑制し、ストレージの使用量を削減できます。

設定方法

RMANのCONFIGURE BACKUP OPTIMIZATIONコマンドを使用します。

設定手順

RMANを起動
バックアップの最適化を有効化
設定の確認
バックアップの動作検証

コマンド例

RMAN> CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION ON;
RMAN> SHOW BACKUP OPTIMIZATION;

この設定により、以下の条件を満たすバックアップはスキップされます。

同じデータファイルのバックアップがすでに存在する（最新のものがある）
既存のアーカイブログバックアップが適切な保存期間内である

最適化を無効にする場合

もし、すべてのデータを強制的にバックアップしたい場合は、以下のコマンドで最適化を無効化できます。

RMAN> CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION OFF;

動作確認

設定を有効化した後、実際のバックアップ動作を確認します。

RMAN> BACKUP DATABASE;
RMAN> LIST BACKUP;

この結果から、不要なバックアップがスキップされていることを確認できます。

設定の確認とリセット

設定の確認方法

現在の設定を確認するには、以下のコマンドを実行します。

RMAN> SHOW ALL;

このコマンドを実行すると、現在のRMANの設定一覧が表示されます。

設定をデフォルトに戻す方法

もし設定をデフォルトに戻したい場合は、以下のコマンドを使用します。

RMAN> CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP CLEAR;
RMAN> CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION CLEAR;

このコマンドを実行すると、RMANの設定がデフォルト値にリセットされます。

まとめ

本記事では、RMANのCONFIGUREコマンドを使用して、制御ファイルの自動バックアップとバックアップの最適化を設定する方法について解説しました。

ポイントのまとめ

制御ファイルの自動バックアップを有効化することで、バックアップ実行時に制御ファイルも確実に保存できる。
バックアップの最適化を有効化することで、不要なバックアップを回避し、ストレージの節約が可能。
SHOW ALLコマンドで現在の設定を確認できる。
設定後の動作確認をリストバックアップで行うことが推奨される。
設定をクリアしてデフォルトに戻すことも可能。

RMANを適切に設定し、効率的なバックアップ戦略を構築しましょう！

[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c

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