はじめに
Oracle Recovery Manager(RMAN)は、データベースのバックアップとリカバリを管理するための強力なツールです。しかし、RMANが管理するリポジトリ(カタログ)から削除されたバックアップを再登録したい場合や、RMAN以外の方法で取得したバックアップファイルをカタログに登録したい場合があります。本記事では、それらの方法について詳しく解説し、実際の運用で活用できるベストプラクティスも紹介します。
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1. 削除された古いRMANバックアップをカタログに登録する方法
1.1 バックアップファイルが物理的に存在することを確認
カタログから削除されていても、ディスク上にバックアップファイルが存在する場合は、再登録が可能です。まず、バックアップファイルがどこにあるか確認します。
ls -l /backup_location/
上記コマンドで、バックアップファイル(.bkp など)が存在することを確認してください。
1.2 RMANのカタログに登録する
RMANを起動し、バックアップファイルを手動で登録します。
RMAN> CATALOG START WITH '/backup_location/';
このコマンドを実行すると、指定したディレクトリ以下のバックアップファイルがRMANのカタログに登録されます。
登録されたことを確認するには、以下のコマンドを実行します。
RMAN> LIST BACKUP;
カタログ登録後、バックアップが有効になり、リストアやリカバリの際に使用できるようになります。
RMAN> list backup;
リカバリ・カタログのかわりにターゲット・データベース制御ファイルを使用しています
指定がリポジトリ内のどのバックアップとも一致しません
RMAN> catalog start with '/home/oracle/backup/013hrp1s_1_1'; ★
パターン/home/oracle/backup/013hrp1s_1_1と一致するすべてのファイルを検索しています
データベースに対する不明なファイルのリスト
=====================================
ファイル名: /home/oracle/backup/013hrp1s_1_1
これらのファイルをカタログに追加しますか(YESまたはNOを入力してください)。 yes
ファイルをカタログに追加しています...
カタログへの追加を終了しました
カタログに追加されたファイルのリスト
=======================
ファイル名: /home/oracle/backup/013hrp1s_1_1
RMAN> list backup;
バックアップ・セットのリスト
===================
BS Key Type LV Size Device Type Elapsed Time 終了時間
------- ---- -- ---------- ----------- ------------ --------
1 Full 1.15G DISK 00:00:11 25-02-15
BPキー: 1 ステータス: AVAILABLE 圧縮: NO タグ: TAG20250215T120828
ピース名: /home/oracle/backup/013hrp1s_1_1 ★登録された
バックアップ・セット1のデータファイルのリスト
File LV Type Ckp SCN Ckp時間 Abs Fuz SCN Sparse Name
---- -- ---- ---------- -------- ----------- ------ ----
1 Full 2084356 25-02-15 NO +DATA/V19/DATAFILE/system.257.1157469475
3 Full 2084356 25-02-15 NO +DATA/V19/DATAFILE/sysaux.258.1157469511
4 Full 2084356 25-02-15 NO +DATA/V19/DATAFILE/undotbs1.259.1157469525
7 Full 2084356 25-02-15 NO +DATA/V19/DATAFILE/users.260.1157469527
1.3 特定のバックアップファイルを個別に登録する
特定のファイルのみ登録したい場合は、以下のようにファイルを指定してカタログに追加できます。
RMAN> CATALOG BACKUPPIECE '/backup_location/backup_piece_01.bkp';
ベストプラクティス
- バックアップファイルを適切に管理するために
LIST BACKUPコマンドを定期的に実行し、登録状況を確認する。CROSSCHECK BACKUPを使って、存在しないバックアップをリストから削除する。
2. RMAN以外の方法でバックアップしたファイルをカタログに登録する方法
RMAN以外の方法で取得したバックアップ(例:OSコマンドを使ったファイルコピー)をRMANに認識させるには、CATALOG START WITH コマンドを使用します。
2.1 データファイルのコピーをカタログに登録する
手動でコピーしたデータファイルをRMANカタログに登録するには、以下のコマンドを使用します。
RMAN> CATALOG START WITH '/backup_location/system01.dbf';
登録後、以下のコマンドで確認できます。
RMAN> LIST COPY;
2.2 登録したファイルを使用するリストア
登録したファイルを使用して、リストアすることも可能です。例えば、データファイルをリストアする場合は以下のように実行します。
RMAN> RESTORE DATAFILE '/backup_location/system01.dbf' TO '/oradata/system01.dbf';
ベストプラクティス
- リストア前にファイルの整合性を確認する
VALIDATEコマンドを使用して、ファイルが正しく使用できるか確認。
RMAN> VALIDATE DATAFILE '/backup_location/system01.dbf';
3. トラブルシューティング
3.1 カタログ登録時のエラー対応
カタログ登録時にRMAN-06004: ORACLE error from recovery catalog database のようなエラーが出た場合、以下を確認してください。
- 権限の確認
- RMANのカタログデータベースに適切な権限があることを確認します。
- バックアップファイルのパスの確認
ls -lコマンドで、ファイルが実際に存在するか確認します。
- RMANカタログの同期
RESYNC CATALOGコマンドを実行し、カタログの同期を試みます。
RMAN> RESYNC CATALOG;
まとめ
- 削除されたRMANバックアップを再登録するには
CATALOG START WITHまたはCATALOG BACKUPPIECEコマンドを使用する。 - RMAN以外の方法で取得したバックアップを登録するには
CATALOG START WITHを使用する。 - バックアップ管理のベストプラクティスとして
LIST BACKUPやCROSSCHECK BACKUPで定期的に状態を確認する。VALIDATEを利用し、リストア前に整合性チェックを実施する。RESYNC CATALOGを使用し、カタログ情報を最新化する。
RMANのカタログを適切に管理することで、バックアップ運用の柔軟性を向上させることができます。
[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c
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