Oracle RMAN(Recovery Manager)のリカバリカタログは、データベースのバックアップ情報を管理するための重要な仕組みです。本記事では、リカバリカタログの インポート(import catalog)、アップグレード(upgrade catalog)、削除(drop catalog) の方法について、実践的な手順を交えて詳しく解説します。
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1. リカバリカタログのインポート
異なるリカバリカタログを統合する場合などに import catalog コマンドを使用します。これにより、既存のリカバリカタログの情報を新しいカタログに統合できます。
インポートの前提条件
- 新しいリカバリカタログスキーマを作成し、リカバリカタログを登録していること。
- インポート元のリカバリカタログにアクセスできること。
- インポート元とターゲットのカタログの整合性を確認すること。
インポート手順
1.RMANを起動し、新しいリカバリカタログに接続します。
RMAN> CONNECT CATALOG new_user/new_password@new_catalog_db;
2.import catalog コマンドを使用して、旧カタログからデータをインポートします。
RMAN> IMPORT CATALOG old_user/old_password@old_catalog_db;
3.インポートが完了したら、統合されたリカバリカタログの内容を確認します。
RMAN> LIST BACKUP;
4.必要に応じて、冗長な情報が統合されていないかを確認し、整理します。
2. リカバリカタログのアップグレード
新しいバージョンのOracle Databaseにアップグレードした場合、リカバリカタログの構造を更新する必要があります。
アップグレードの前提条件
- RMANカタログが正常に動作していること。
- 新しいOracleバージョンのRMANに接続できること。
RCVER表を確認し、既存のバージョンを把握すること。
アップグレード手順
1.RMANを起動し、リカバリカタログに接続します。
RMAN> CONNECT CATALOG catalog_user/catalog_password@catalog_db;
2.upgrade catalog コマンドを実行して、カタログをアップグレードします。
RMAN> UPGRADE CATALOG;
3.アップグレードが完了したことを確認するため、SQL*Plusでリカバリカタログに接続し、バージョンをチェックします。
sqlplus catalog_user/catalog_password@catalog_dbSQL> SELECT * FROM RCVER;
4.アップグレードが適用されたことを確認した後、カタログのバックアップを取得します。
[oracle@restart ~]$ $ORACLE_HOME/OPatch/opatch lspatches
35643107;Database Release Update : 19.21.0.0.231017 (35643107) ★19.21
29585399;OCW RELEASE UPDATE 19.3.0.0.0 (29585399)
OPatch succeeded.
[oracle@restart ~]$ sqlplus rcuser/oracle@rcatalog
SQL*Plus: Release 19.0.0.0.0 - Production on 日 2月 16 12:51:10 2025
Version 19.21.0.0.0
Copyright (c) 1982, 2022, Oracle. All rights reserved.
最終正常ログイン時間: 日 2月 16 2025 12:24:11 +09:00
Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
Version 19.21.0.0.0
に接続されました。
SQL> select * from rcver;
VERSION
---------------------------------------------
19.03.00.00.00 ★19.3
SQL> exit
Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
Version 19.21.0.0.0との接続が切断されました。
[oracle@restart ~]$ rman target / catalog rcuser/oracle@rcatalog
Recovery Manager: Release 19.0.0.0.0 - Production on 日 2月 16 12:51:46 2025
Version 19.21.0.0.0
Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
PL/SQLパッケージSYS.DBMS_BACKUP_RESTOREバージョン19.03.00.00 (TARGETデータベース内)が現行のものではありません
PL/SQLパッケージSYS.DBMS_RCVMANバージョン19.03.00.00 (TARGETデータベース内)が現 行のものではありません
ターゲット・データベース: V19 (DBID=2960846808)に接続されました
リカバリ・カタログ・データベースに接続されました。
PL/SQLパッケージRCUSER.DBMS_RCVCATバージョン19.03.00.00. (RCVCATデータベース内) が現行のものではありません
PL/SQLパッケージRCUSER.DBMS_RCVMANバージョン19.03.00.00 (RCVCATデータベース内)が現行のものではありません
RMAN> upgrade catalog; ★アップグレード
リカバリ・カタログの所有者はRCUSERです。
UPGRADE CATALOGコマンドを再入力して、カタログのアップグレードを確認してください
RMAN> upgrade catalog;
リカバリ・カタログがバージョン19.21.00.00.00にアップグレードしました
DBMS_RCVMANパッケージはバージョン19.21.00.00にアップグレードされました
DBMS_RCVCATパッケージはバージョン19.21.00.00.にアップグレードされました
RMAN> exit
Recovery Managerが完了しました。
[oracle@restart ~]$ sqlplus rcuser/oracle@rcatalog
SQL*Plus: Release 19.0.0.0.0 - Production on 日 2月 16 12:53:18 2025
Version 19.21.0.0.0
Copyright (c) 1982, 2022, Oracle. All rights reserved.
最終正常ログイン時間: 日 2月 16 2025 12:51:48 +09:00
Oracle Database 19c Enterprise Edition Release 19.0.0.0.0 - Production
Version 19.21.0.0.0
に接続されました。
SQL> select * from rcver;
VERSION
---------------------------------------------
19.21.00.00.00 ★19.21
3. リカバリカタログの削除
リカバリカタログを不要になった場合は、 drop catalog コマンドを使用して削除できます。
削除の前提条件
- RMANカタログのデータをバックアップしていること。
- そのリカバリカタログが不要であることを確認する。
- カタログに登録されたターゲットデータベースが正しく機能していることを確認する。
削除手順
- RMANを起動し、リカバリカタログに接続します。
RMAN> CONNECT CATALOG catalog_user/catalog_password@catalog_db; drop catalogコマンドを実行します。RMAN> DROP CATALOG;- 削除が完了したら、カタログが存在しないことを確認します。
RMAN> LIST INCARNATION; - 必要に応じて、削除後の影響を確認し、バックアップやリストアの設定を見直します。
まとめ
| 操作 | コマンド |
|---|---|
| リカバリカタログのインポート | IMPORT CATALOG old_user/old_password@old_catalog_db; |
| リカバリカタログのアップグレード | UPGRADE CATALOG; |
| リカバリカタログの削除 | DROP CATALOG; |
リカバリカタログの適切な管理は、データベースのバックアップとリカバリを確実にするために重要です。インポート、アップグレード、削除の手順をしっかり理解し、適切な運用を行いましょう。
[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c




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