~EXTERNAL・NORMAL・HIGHの違い、設計指針と冗長化のメリット・デメリットまで~
Oracle ASM(Automatic Storage Management)は、Oracleが提供するストレージ管理機能であり、ディスク障害に備えた冗長性の選択が可能です。冗長性(REUNDANCY)は、データ保護と可用性確保の要となる非常に重要なポイントです。
本記事では、EXTERNAL / NORMAL / HIGH の違いに加え、冗長化するメリット・デメリット、構成図・確認方法・設計の考え方まで、初心者から設計担当者まで納得できる内容を網羅します。
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■ 1. 冗長性(REUNDANCY)とは?
ASMディスクグループ作成時に指定できる「REUNDANCY」オプションは、ディスク障害に備えてデータを自動ミラーリング(複製)する仕組みです。
選択できるモードは以下の3種類:
| モード | ミラー数 | 使用容量 | 最低ディスク数 | 想定用途 |
|---|---|---|---|---|
| EXTERNAL | なし | 100% | 1 | RAID構成ストレージ |
| NORMAL | 2重 | 約50% | 2 | 一般業務向け |
| HIGH | 3重 | 約33% | 3 | 高可用性環境 |
■ 2. 冗長化のメリットとデメリット
✅ 冗長化(NORMAL / HIGH)のメリット
| メリット | 説明 |
|---|---|
| データ保護 | ディスク障害時も別ディスクに複製データが存在し、可用性を維持可能 |
| 即時復旧性 | RAIDがなくても、ミラーされたディスクから即時読み出し可能 |
| 自動管理 | ASMが自動でミラー・再構成・リバランスを実行(管理が楽) |
| 柔軟性 | RAIDのようなハードウェア依存がなく、ソフトウェアで完結 |
❗ 冗長化のデメリット
| デメリット | 説明 |
|---|---|
| 容量効率が悪化 | ミラー数に応じて実効容量が減少(NORMAL:50%、HIGH:33%) |
| 書き込み負荷増加 | データを複数のディスクに書くためI/O負荷が上昇 |
| リバランス時間 | 障害時・構成変更時のリバランスに時間がかかる場合がある |
| 初期構築コスト | 複数ディスクが必須となるため、初期導入コストが高い |
⚠️ 容量と可用性のトレードオフを理解した上での選定が重要です。
■ 3. 冗長性モードの詳細と例
🔵 EXTERNAL REDUNDANCY
- 外部(ストレージ層)のRAIDに任せて、ASMはミラーしない
- 容量効率は最も高いが、ASM単体では冗長性ゼロ
sqlコピーする編集するCREATE DISKGROUP arch EXTERNAL REDUNDANCY DISK '/dev/sdc';
🔵 NORMAL REDUNDANCY(標準)
- ASMが2つのディスクにデータをミラー(約50%の容量)
- オンプレやローカルディスク構成で最も使用される
sqlコピーする編集するCREATE DISKGROUP arch NORMAL REDUNDANCY DISK '/dev/sdc', '/dev/sdd';
■ NORMAL構成図(テキスト)
bashコピーする編集する[Normal冗長性構成:2重ミラー]
+------------+ +------------+
| /dev/sdc | ←← Mirror →→ | /dev/sdd |
+------------+ +------------+
↑ ↑
データA データA'
🔵 HIGH REDUNDANCY
- ASMが3つのディスクにデータをミラー(使用容量約33%)
- 極めて高い可用性が求められる場合に採用される
sqlコピーする編集するCREATE DISKGROUP arch HIGH REDUNDANCY DISK '/dev/sdc', '/dev/sdd', '/dev/sde';
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■ 4. 冗長性の確認コマンド
sqlコピーする編集するSELECT name, redundancy, total_mb, free_mb
FROM v$asm_diskgroup;
■ 5. 冗長性が引き起こすトラブルと対策
| 問題例 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| ORA-15018: diskgroup cannot be created | 必要なディスク数不足 | NORMAL:2台、HIGH:3台 必須 |
| リバランスが遅い | ディスク数が多い / POWER値が小さい | v$asm_operationで進行確認、POWER調整 |
| 容量不足 | 容量効率を考慮せずNORMAL/HIGHを選択 | 事前にミラー後容量を計算しておく |
■ 6. 設計上のヒント
- ASMでミラーする or RAIDで冗長性を確保するかは、可用性要件と運用体制で決める
- NORMAL冗長性は最もバランスが良く推奨される構成
- ミラーの対象ディスクは異なる物理筐体・パスに配置すると、可用性がさらに向上
■ 7. まとめ:ASM冗長性モード一覧
| モード | ミラー数 | 最低ディスク数 | 容量効率 | 可用性 | 想定環境 |
|---|---|---|---|---|---|
| EXTERNAL | なし | 1 | 100% | ストレージ依存 | SAN, NAS |
| NORMAL | 2重 | 2 | 約50% | 中程度 | オンプレ, VM環境 |
| HIGH | 3重 | 3 | 約33% | 非常に高い | 金融・医療等のミッションクリティカル環境 |
[参考]
Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド




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