Oracle Database では、アーカイブログの削除ポリシーを設定することで、適切な管理を行うことができます。本記事では、アーカイブログの削除ポリシーの概要、CONFIGURE コマンドを使用した永続的な設定方法、およびデフォルト設定へのリセット方法について詳しく解説します。
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1. アーカイブログの削除ポリシーとは
アーカイブログの削除ポリシーとは、リカバリのために必要なアーカイブログを誤って削除しないように管理するためのポリシーです。CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY コマンドを使用して設定できます。
削除ポリシーの種類
削除ポリシーには以下のようなオプションがあります。
| ポリシー設定 | 説明 |
|---|---|
NONE | 削除ポリシーを設定しない(デフォルト)。 |
APPLIED ON ALL STANDBY | すべてのスタンバイデータベースで適用済みのアーカイブログを削除可能。 |
BACKED UP n TIMES TO DEVICE TYPE disk/tape | 指定回数 (n) 以上バックアップ済みの場合に削除可能。 |
SHIPPED TO ALL STANDBY | すべてのスタンバイデータベースに転送済みのアーカイブログを削除可能。 |
削除ポリシーを適切に設定することで、リカバリに必要なデータを確実に確保しつつ、ディスクの容量を効率的に管理できます。
2. CONFIGURE コマンドでの永続設定
CONFIGURE コマンドを使用すると、RMAN でアーカイブログの削除ポリシーを永続的に設定できます。
設定例
すべてのスタンバイデータベースに適用されたアーカイブログのみ削除する
CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY TO APPLIED ON ALL STANDBY;
アーカイブログがディスクに2回バックアップされた後に削除可能とする
CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY TO BACKED UP 2 TIMES TO DEVICE TYPE DISK;
すべてのスタンバイデータベースに転送されたアーカイブログのみ削除する
CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY TO SHIPPED TO ALL STANDBY;
この設定により、不要なアーカイブログが適切なタイミングで削除され、ストレージの効率的な運用が可能になります。
3. 永続設定をデフォルトにリセットする
設定をデフォルト (NONE) に戻したい場合は、以下のコマンドを実行します。
CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY CLEAR;
このコマンドを実行すると、削除ポリシーはデフォルトの NONE にリセットされ、RMAN は削除ポリシーを適用しなくなります。
4. 設定の確認
現在の削除ポリシーを確認するには、以下のコマンドを実行します。
SHOW ARCHIVELOG DELETION POLICY;
これにより、現在設定されている削除ポリシーが表示されます。
また、すべての RMAN の設定を確認する場合は、以下のコマンドを実行します。
SHOW ALL;
このコマンドを実行すると、現在設定されているすべての RMAN 設定が表示され、アーカイブログの削除ポリシーも確認できます。
RMAN> show all;
リカバリ・カタログのかわりにターゲット・データベース制御ファイルを使用しています
db_unique_name V19のデータベースにおけるRMAN構成パラメータ:
CONFIGURE RETENTION POLICY TO REDUNDANCY 1; # default
CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION OFF; # default
CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO DISK; # default
CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP ON; # default
CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK TO '%F'; # default
CONFIGURE DEVICE TYPE DISK PARALLELISM 1 BACKUP TYPE TO BACKUPSET; # default
CONFIGURE DATAFILE BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE DISK TO 1; # default
CONFIGURE ARCHIVELOG BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE DISK TO 1; # default
CONFIGURE MAXSETSIZE TO UNLIMITED; # default
CONFIGURE ENCRYPTION FOR DATABASE OFF; # default
CONFIGURE ENCRYPTION ALGORITHM 'AES128'; # default
CONFIGURE COMPRESSION ALGORITHM 'BASIC' AS OF RELEASE 'DEFAULT' OPTIMIZE FOR LOAD TRUE ; # default
CONFIGURE RMAN OUTPUT TO KEEP FOR 7 DAYS; # default
CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY TO NONE; # default
CONFIGURE SNAPSHOT CONTROLFILE NAME TO '/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1/dbs/snapcf_v19.f'; # default
5. 実運用での考慮点
アーカイブログの削除ポリシーを適切に設定する際には、以下の点に注意が必要です。
- リカバリ戦略との整合性:ポリシーを設定する前に、バックアップとリカバリの要件を確認する。
- ストレージ管理:不要なアーカイブログを適切に削除し、ストレージ使用量を最適化する。
- データ保全の確保:誤った削除を防ぐため、設定変更後は
SHOW ALLで確認する。
まとめ
アーカイブログの削除ポリシーを適切に設定することで、リカバリに必要なログを確保しつつ、不要なアーカイブログを整理できます。CONFIGURE コマンドを使用すると、削除ポリシーを永続的に設定でき、リセットしたい場合は CLEAR コマンドを利用することでデフォルトに戻せます。
適切な削除ポリシーを設定し、安全で効率的なアーカイブログ管理を行いましょう。
[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c




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