アーカイブログモードとは

Oracle Master Gold

Oracleデータベースのアーカイブログモード(ARCHIVELOGモード)とは、データベースのREDOログファイルをアーカイブ(保存)し、障害発生時のリカバリを可能にする設定のことです。

アーカイブログモードを有効にすることで、以下のメリットがあります。

  • ポイントインタイムリカバリ(PITR)が可能:特定の時点にデータベースを復旧できる
  • オンラインバックアップが可能:データベースが稼働中でもバックアップが取得可能
  • データ保護の強化:REDOログの履歴が保存されるため、障害時のデータ損失を防げる
  • ディザスタリカバリの強化:アーカイブログを遠隔地に送信することで、災害対策としても有効
  • 増分バックアップの活用:RMANの増分バックアップを使用する際に必要
  • リカバリ時間の短縮:REDOログの情報を利用して、より迅速に障害復旧が可能
  • データ整合性の確保:REDOログとともにトランザクションの整合性を維持しながら復旧可能

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アーカイブログモードの確認

現在のデータベースがアーカイブログモードかどうかを確認するには、以下のSQLを実行します。

SELECT LOG_MODE FROM V$DATABASE;

出力例

LOG_MODE
NOARCHIVELOG

この場合、データベースはアーカイブログモードではなく、NOARCHIVELOGモードで動作しています。

アーカイブログモードの有効化手順

アーカイブログモードを有効にする手順は以下の通りです。

1. データベースのマウントモードへの変更

アーカイブログモードの変更はマウント状態で行う必要があります。そのため、一旦データベースをシャットダウンし、マウントモードで起動します。

SHUTDOWN IMMEDIATE;
STARTUP MOUNT;

2. アーカイブログモードの有効化

次に、以下のコマンドを実行してアーカイブログモードを有効にします。

ALTER DATABASE ARCHIVELOG;

3. データベースのオープン

アーカイブログモードの変更後、データベースをオープンします。

ALTER DATABASE OPEN;

4. アーカイブログの保存先の確認・設定

アーカイブログが適切に保存されるように、LOG_ARCHIVE_DESTパラメータを確認・設定します。

SHOW PARAMETER LOG_ARCHIVE_DEST;

変更する場合は、次のように設定します。

ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST='/u01/app/oracle/archivelog' SCOPE=SPFILE;

変更を適用するために、データベースを再起動してください。

SHUTDOWN IMMEDIATE;
STARTUP;

ノーアーカイブログモード(NOARCHIVELOGモード)への変更

アーカイブログモードを無効にしてNOARCHIVELOGモードへ変更する場合、以下の手順を実施します。

1. データベースのマウントモードへの変更

NOARCHIVELOGモードへ変更するためには、一旦データベースをマウントモードにする必要があります。

SHUTDOWN IMMEDIATE;
STARTUP MOUNT;

2. NOARCHIVELOGモードへの変更

以下のコマンドを実行して、NOARCHIVELOGモードへ変更します。

ALTER DATABASE NOARCHIVELOG;

3. データベースのオープン

NOARCHIVELOGモードの変更後、データベースをオープンします。

ALTER DATABASE OPEN;

アーカイブログモードにする際の注意事項

アーカイブログモードを有効にする際には、以下の点に注意が必要です。

  • ディスク容量の管理:アーカイブログが増えるとディスクが圧迫されるため、定期的に削除またはバックアップを行う。
  • バックアップ戦略の確立:アーカイブログモードでは定期的なバックアップが必須。
  • アーカイブ先の監視LOG_ARCHIVE_DESTの設定を適切に行い、障害発生時にリカバリが可能か確認。
  • パフォーマンスへの影響:アーカイブログの生成により、書き込み負荷が増加する可能性がある。
  • アーカイブログの適用チェックV$ARCHIVED_LOGビューを定期的に確認し、アーカイブログが適切に適用されているか監視。
  • 障害時の対応計画:アーカイブログを用いたリカバリ手順を事前に確立しておく。
  • 自動管理の導入:RMANを活用してアーカイブログの管理を自動化し、手動管理の負担を軽減する。

まとめ

アーカイブログモードは、データの保護や障害復旧の観点から非常に重要な設定です。特に、業務データを扱う本番環境ではアーカイブログモードを有効にして運用することが強く推奨されます。

アーカイブログモードを適切に活用することで、障害発生時のデータ損失を最小限に抑え、迅速なリカバリを実現できます。そのためには、定期的なバックアップ、ディスク容量の監視、適切な運用計画が不可欠です。

一方で、テスト環境やバックアップを不要とする環境では、NOARCHIVELOGモードの方が適している場合もあります。運用要件に応じて適切なモードを選択し、最適なデータベース管理を行いましょう。

[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c

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