1. ブロック破損とは?
Oracleデータベースにおけるブロック破損(Block Corruption)とは、データブロックが何らかの原因で正常に読み書きできなくなった状態を指します。ブロック破損が発生すると、該当ブロックを含むデータへのアクセスが失敗し、データの整合性が損なわれる可能性があります。
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1.1 ブロック破損の原因
- ハードウェア障害(ディスクの故障、メモリエラー)
- ソフトウェアのバグ
- ネットワーク障害(データ転送時のエラー)
- 予期しないデータファイルの変更(OSの問題、ストレージの問題)
- ユーザーの誤操作
1.2 ブロック破損の影響
ブロック破損が発生すると、以下の影響が生じる可能性があります。
- SQLクエリの失敗(ORA-01578エラーなど)
- データの不整合
- バックアップやリカバリの失敗
このような問題を防ぐため、Oracleデータベースでは DB_BLOCK_CHECKSUM および DB_BLOCK_CHECKING というパラメータが用意されています。
2. DB_BLOCK_CHECKSUM
2.1 概要
DB_BLOCK_CHECKSUM は、Oracleデータベースのデータブロックに対してチェックサム(Checksum)を計算し、破損の検出を行うための初期化パラメータです。データが書き込まれる際にチェックサムを計算し、読み取り時に検証することで、ディスクやメモリ上でのデータ破損を検出できます。
2.2 設定値
DB_BLOCK_CHECKSUM には以下の値を設定できます。
| 設定値 | 説明 |
|---|---|
NONE | チェックサムを無効にする(デフォルト) |
TYPICAL | データファイルブロックにチェックサムを適用(推奨) |
FULL | すべてのデータブロック(REDOログも含む)に対してチェックサムを適用 |
2.3 設定方法
ALTER SYSTEM SET DB_BLOCK_CHECKSUM = TYPICAL SCOPE=BOTH;
2.4 効果と注意点
TYPICALまたはFULLを有効にすると、Oracleはデータブロックのチェックサムを計算し、破損があればエラーを報告します。FULLにすると、パフォーマンスのオーバーヘッドが大きくなる可能性があります。
3. DB_BLOCK_CHECKING
3.1 概要
DB_BLOCK_CHECKING は、ブロックの整合性チェックを実施し、破損がないかを検証するためのパラメータです。データの更新時に一貫性チェックを行い、問題があればエラーを報告します。
3.2 設定値
| 設定値 | 説明 |
NONE | ブロックのチェックを無効化(デフォルト) |
LOW | データブロックの基本的なチェックを行う |
MEDIUM | ほとんどのブロックの整合性をチェック |
FULL | すべてのブロックの整合性を詳細にチェック(パフォーマンスに影響) |
3.3 設定方法
ALTER SYSTEM SET DB_BLOCK_CHECKING = MEDIUM SCOPE=BOTH;
3.4 効果と注意点
LOW以上に設定すると、データ更新時に整合性チェックが行われ、破損が早期に検出されます。FULLに設定するとCPU負荷が高くなるため、通常はLOWかMEDIUMを推奨。
4. まとめ
| パラメータ | 目的 | 推奨設定 |
DB_BLOCK_CHECKSUM | データブロックの破損検出 | TYPICAL |
DB_BLOCK_CHECKING | ブロックの整合性チェック | LOW または MEDIUM |
DB_BLOCK_CHECKSUMはデータの読み書き時にチェックサムを計算し、ブロック破損を検出する。DB_BLOCK_CHECKINGはブロックの内部整合性を検証し、データ破損を防ぐ。FULL設定はチェックの精度が高いが、パフォーマンスに影響を与えるため慎重に使用。
ブロック破損を防ぐため、適切なパラメータ設定を行い、定期的なバックアップと監視を実施することが重要です。
[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c
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