PDB$SEEDからのクローンでPDB02を作成する完全ガイド

Oracleのマルチテナント構成では、PDB$SEEDからクローンしてPDBを作成する方法がもっとも基本かつ実用的です。本記事では、PDB02を作成する手順を初心者にもわかりやすく、コマンドレベルで丁寧に解説します。

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🔰 PDB$SEEDとは？

OracleがCDBを作成したときに自動的に生成する、読み取り専用のテンプレートPDBです。
新規PDB作成時には、これをクローンすることで短時間でデータベースを構築できます。

┌────────────┐
│    CDB     │
├────┬──────────┬──────────┤
│ROOT│PDB$SEED  │PDB02     │
└────┴──────────┴──────────┘
        ↑
     クローン元

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✅ PDB作成に必要な前提条件

項目	内容
接続ユーザー	SYSDBA権限を持つユーザー（例：SYS）
接続先	CDB$ROOT
データファイル確認	FILE_NAME_CONVERT指定のため、PDB$SEEDのファイルパス確認が必要

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📂 PDB$SEEDのデータファイルパス確認手順

以下の手順で、PDB$SEEDのデータファイルディレクトリを確認します。

-- 現在のPDB一覧を確認
SQL> show pdbs;

    CON_ID CON_NAME                       OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------------------------ ---------- ----------
         2 PDB$SEED                       READ ONLY  NO
         3 PDB01                          READ WRITE NO

-- PDB$SEEDに切り替え
SQL> alter session set container=pdb$seed;

セッションが変更されました。

-- 現在のコンテナを確認
SQL> show con_name;

CON_NAME
------------------------------
PDB$SEED

-- データファイルパスを確認
SQL> select file_name from dba_data_files;

FILE_NAME
--------------------------------------------------------------------------------
/u01/app/oracle/oradata/V19M/pdbseed/system01.dbf  
/u01/app/oracle/oradata/V19M/pdbseed/sysaux01.dbf  
/u01/app/oracle/oradata/V19M/pdbseed/undotbs01.dbf

このディレクトリパス /u01/app/oracle/oradata/V19M/pdbseed/ をベースにして、pdb02用にファイルを配置するディレクトリを指定します。

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🛠 PDB02の作成（FILE_NAME_CONVERT使用）

PDBの作成はCDB$ROOTから実行します。

SQL> CREATE PLUGGABLE DATABASE pdb02
  ADMIN USER admin IDENTIFIED BY oracle
  FILE_NAME_CONVERT=('pdbseed','pdb02');

SQL> show con_name

CON_NAME
------------------------------
CDB$ROOT
SQL> CREATE PLUGGABLE DATABASE pdb02
  2  ADMIN USER admin IDENTIFIED BY oracle
  3  FILE_NAME_CONVERT=('pdbseed','pdb02');

プラガブル・データベースが作成されました。

SQL> show pdbs

    CON_ID CON_NAME                       OPEN MODE  RESTRICTED
---------- ------------------------------ ---------- ----------
         2 PDB$SEED                       READ ONLY  NO
         3 PDB01                          READ WRITE NO
         4 PDB02                          MOUNTED  ★作成された

🔍 各句の意味

句	説明
ADMIN USER	PDB内に作成される管理者ユーザー名（C##は不要）
IDENTIFIED BY	管理者ユーザーのパスワード
FILE_NAME_CONVERT	pdbseedという文字列をpdb02に置換し、ファイルをコピー

🔸 FILE_NAME_CONVERTはファイルパスの一部に「pdbseed」が含まれていることが前提です。
/u01/app/oracle/oradata/V19M/pdbseed/ → /u01/app/oracle/oradata/V19M/pdb02/ に変換されます。

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▶ PDB02をOPEN状態にする

作成直後のPDBはMOUNT状態です。使用できるようにするにはOPENが必要です。

ALTER PLUGGABLE DATABASE pdb02 OPEN;

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📋 作成後の確認

-- PDBの一覧表示
SHOW PDBS;

-- PDB02に接続して確認
ALTER SESSION SET CONTAINER = pdb02;

-- 現在のコンテナ名を表示
SHOW CON_NAME;

-- 管理ユーザーが存在するか確認
SELECT username FROM dba_users WHERE username = 'ADMIN';

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⚠ よくあるエラーと対処法

エラー	内容	対処法
ORA-65096	ユーザー名が無効	ADMINのようにローカルユーザー名にする（C##不要）
ORA-65010	パスが存在しない	FILE_NAME_CONVERTの指定を見直す
ORA-65048	ファイル名が競合	pdb02フォルダを事前に削除 or ファイル名を変更

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💡 補足：自動ファイル配置を使う方法（参考）

DB_CREATE_FILE_DESTを事前に設定すれば、パス指定不要で作成可能です：

ALTER SYSTEM SET DB_CREATE_FILE_DEST='/u01/app/oracle/oradata/V19M/pdb02';

CREATE PLUGGABLE DATABASE pdb02 
  ADMIN USER admin IDENTIFIED BY oracle;

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✅ まとめ

PDB$SEEDからのクローンは、最もシンプルで確実なPDB作成手法です。特に検証やテスト用の環境構築に非常に有効です。

✔ ポイント

• FILE_NAME_CONVERTはファイル名の一括置換
• 作成後は必ずOPEN状態に変更
• パスの確認にはPDB$SEEDのファイルパス調査が重要

[参考]
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