Oracleデータベースでは、不要な表を削除するための方法としてDROP TABLE文を使用します。しかし、誤って重要な表を削除してしまうことがあります。このような場合、Oracleのフラッシュバックドロップ機能を使用することで、削除された表を簡単に復元することが可能です。本記事では、表の削除方法とフラッシュバックドロップについて詳しく解説します。
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1. 表の削除(DROP TABLE)
表を削除するには、次のようなSQL文を使用します。
DROP TABLE テーブル名;
例:
以下のSQL文は、employeesという名前の表を削除します。
DROP TABLE employees;
表を削除すると、その表に格納されているデータや定義情報は通常は完全に失われます。ただし、Oracleではデフォルトでごみ箱(Recycle Bin)が有効になっている場合、削除された表はごみ箱に移動します。この機能により、データの安全性を確保できます。
DROP TABLE PURGE
ごみ箱に移動せずに、表を完全に削除したい場合は、PURGEオプションを使用します。このオプションを使用すると、表は直接削除され、ごみ箱にも保存されません。
DROP TABLE テーブル名 PURGE;
例:
DROP TABLE employees PURGE;
この操作により、employees表が完全に削除され、復元ができなくなります。PURGEオプションは、特にストレージを確保したい場合や、復元不要な表を削除する際に便利です。
2. フラッシュバックドロップとは
フラッシュバックドロップ機能を使用すると、削除された表をごみ箱から復元できます。この機能は、誤って削除した表を簡単に元に戻すことができる非常に便利な機能です。Oracleが提供するデータ保護の一環として、多くの現場で活用されています。
3. フラッシュバックドロップの使用方法
(1) ごみ箱の内容を確認する
削除された表は、ごみ箱に格納されます。ごみ箱の内容を確認するには、以下のSQL文を使用します。
SELECT object_name, original_name, type, droptime
FROM recyclebin;
例:
SELECT object_name, original_name, type, droptime
FROM recyclebin;
出力例:
| OBJECT_NAME | ORIGINAL_NAME | TYPE | DROPTIME |
|---|---|---|---|
| BIN$abc123456789$0 | EMPLOYEES | TABLE | 2025-01-19:10:15:00 |
この例では、EMPLOYEES表がごみ箱に格納されていることが分かります。
(2) 表を復元する
削除された表を復元するには、次のSQL文を使用します。
FLASHBACK TABLE テーブル名 TO BEFORE DROP;
例:
FLASHBACK TABLE employees TO BEFORE DROP;
この操作により、employees表が削除前の状態に復元されます。
(3) 特定のオブジェクト名を指定して復元する
もし同名の表が複数存在する場合、BIN$で始まるごみ箱内のオブジェクト名を指定して復元します。
FLASHBACK TABLE "BIN$abc123456789$0" TO BEFORE DROP;
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4. ごみ箱を空にする
不要なオブジェクトがごみ箱に残っている場合、それらを削除してごみ箱を空にすることができます。
PURGE RECYCLEBIN;
また、特定の表を完全に削除するには、以下のように指定します。
PURGE TABLE テーブル名;
例:
PURGE TABLE employees;
これにより、employees表がごみ箱からも完全に削除され、復元できなくなります。
5. 実際の使用例
以下は、実際の操作例です。
- 表の削除
DROP TABLE employees;
- ごみ箱の内容確認
SELECT object_name, original_name, type, droptime
FROM recyclebin;
- 表の復元
FLASHBACK TABLE employees TO BEFORE DROP;
- ごみ箱を空にする
PURGE RECYCLEBIN;
6. 注意点
- ごみ箱機能の有効化:
- ごみ箱機能はデフォルトで有効になっていますが、環境によっては無効になっている場合があります。状態を確認するには以下のSQLを使用します。
SHOW PARAMETER recyclebin;- 無効化されている場合は、次のように有効化できます。
ALTER SYSTEM SET recyclebin = ON; - 自動削除:
- データベースのスペースが不足している場合、ごみ箱内のオブジェクトが自動的に削除されることがあります。
- システム表領域:
- システム表領域に格納されているオブジェクトや一部の大規模オブジェクトには、フラッシュバックドロップ機能を使用できない場合があります。
- ストレージ管理:
- ごみ箱にオブジェクトを残すことでストレージを消費します。不要なオブジェクトは定期的に削除することをお勧めします。
7. まとめ
Oracleデータベースにおいて、表の削除や誤操作による影響を最小限に抑えるために、フラッシュバックドロップ機能は非常に有用です。本記事で紹介した方法を活用することで、データの安全性を高めながら効率的なデータベース運用を実現できます。
図: フラッシュバックドロップの流れ
+-------------------+ DROP TABLE +----------------+
| 表 (Table) | ---------------------------> | ごみ箱 (Recycle Bin) |
+-------------------+ +----------------+
|
FLASHBACK TABLE |
v
+-------------------+ +----------------+
| 表 (Table) | <--------------------------- | ごみ箱 (Recycle Bin) |
+-------------------+ +----------------+
このように、Oracleデータベースの管理においてフラッシュバックドロップ機能は非常に役立ちます。ぜひ実践してみてください!
[参考]
Oracle Database SQL言語リファレンス 19c
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