1. RMANとは
RMAN(Recovery Manager)は、Oracleデータベースのバックアップやリカバリを自動化するための強力なツールです。Oracle Databaseに標準で組み込まれており、コマンドラインやスクリプトを活用して効率的に管理できます。
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1.1 RMANのメリット
- 自動化: バックアップおよびリカバリプロセスを自動化し、エラーを減少。
- パフォーマンス最適化: バックアップとリカバリの処理速度を向上。
- ストレージ管理: 圧縮、増分バックアップなどの機能を活用してストレージを節約。
- 復旧シナリオの多様性: 破損したデータベースの部分的または完全なリカバリが可能。
2. RMANクライアントの概要
RMANクライアントは、データベースのバックアップやリカバリ操作を実行するためのインターフェースです。RMANを使用することで、以下の操作が可能になります。
- データベースの完全バックアップ、増分バックアップ
- アーカイブログの管理
- データファイルのリストアとリカバリ
- 制御ファイルやSPFILEのバックアップとリストア
- クロスチェックやカタログ情報の管理
3. RMANの接続方法
RMANクライアントを起動し、データベースに接続する方法を説明します。
3.1 RMANの起動
OSのコマンドラインから以下のコマンドを実行してRMANを起動します。
$ rman
ターゲットデータベースに直接接続する場合:
$ rman target /
[oracle@v19single ~]$ rman target /
Recovery Manager: Release 19.0.0.0.0 - Production on 土 2月 1 01:13:19 2025
Version 19.21.0.0.0
Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
ターゲット・データベース: V19 (DBID=2957249400)に接続されました
RMAN>
4. RMANの接続方法
RMANは、以下の3つの方法でデータベースに接続できます。
4.1 ローカル接続
データベースサーバー上で、OS認証を利用して接続する場合:
$ rman target /
この場合、接続するユーザーがdbaグループに属している必要があります。
4.2 リモート接続(TNSエイリアス使用)
リモートのデータベースに接続する場合、TNSエイリアスを使用して接続できます。
$ rman target sys/password@orcl
パスワードを求められるので入力します。
4.3 SYSDBA / SYSBACKUP 権限での接続
RMANは、SYSDBA または SYSBACKUP 権限を持つユーザーで接続する必要があります。
SYSDBAで接続
$ rman target '"sys/password as sysdba"'
[oracle@v19single ~]$ rman target '"sys/oracle as sysdba"'
Recovery Manager: Release 19.0.0.0.0 - Production on 土 2月 1 01:15:42 2025
Version 19.21.0.0.0
Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
ターゲット・データベース: V19 (DBID=2957249400)に接続されました
RMAN>
SYSBACKUPで接続
SYSBACKUP権限を使用して接続する場合:
$ rman target '"sys/password as sysbackup"'
[oracle@v19single ~]$ rman target '"sys/oracle as sysbackup"'
Recovery Manager: Release 19.0.0.0.0 - Production on 土 2月 1 01:16:38 2025
Version 19.21.0.0.0
Copyright (c) 1982, 2019, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.
ターゲット・データベース: V19 (DBID=2957249400)に接続されました
RMAN>
5. SYSDBAとSYSBACKUPの比較
| 権限 | 役割 | できること |
|---|---|---|
| SYSDBA | データベース管理者全般 | バックアップ、リストア、データベース起動・停止、ユーザー管理などすべての管理操作が可能 |
| SYSBACKUP | バックアップ専用管理者 | バックアップ、リストア、リカバリが可能。ただし、データベース起動・停止やユーザー管理などは不可 |
SYSBACKUPでできる操作
SYSBACKUP権限は、バックアップ業務に特化した最小権限を持っています。具体的には以下の操作が可能です。
BACKUPコマンドの実行(データファイル、制御ファイル、SPFILE、アーカイブログのバックアップ)RESTOREコマンドの実行(バックアップのリストア)RECOVERコマンドの実行(データのリカバリ)CROSSCHECKやDELETE EXPIREDなど、バックアップ管理操作LIST BACKUPでのバックアップ情報確認
SYSBACKUPは、完全なデータベース管理権限を持たず、主にバックアップとリカバリのための機能のみを提供します。
6. RMANの接続確認
データベースに接続後、以下のコマンドを実行して正常に接続できているか確認できます。
RMAN> SHOW ALL;
このコマンドを実行することで、現在のRMANの設定が表示されます。
RMAN> show all;
リカバリ・カタログのかわりにターゲット・データベース制御ファイルを使用しています
db_unique_name V19のデータベースにおけるRMAN構成パラメータ:
CONFIGURE RETENTION POLICY TO REDUNDANCY 1; # default
CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION OFF; # default
CONFIGURE DEFAULT DEVICE TYPE TO DISK; # default
CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP ON; # default
CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK TO '%F'; # default
CONFIGURE DEVICE TYPE DISK PARALLELISM 1 BACKUP TYPE TO BACKUPSET; # default
CONFIGURE DATAFILE BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE DISK TO 1; # default
CONFIGURE ARCHIVELOG BACKUP COPIES FOR DEVICE TYPE DISK TO 1; # default
CONFIGURE MAXSETSIZE TO UNLIMITED; # default
CONFIGURE ENCRYPTION FOR DATABASE OFF; # default
CONFIGURE ENCRYPTION ALGORITHM 'AES128'; # default
CONFIGURE COMPRESSION ALGORITHM 'BASIC' AS OF RELEASE 'DEFAULT' OPTIMIZE FOR LOAD TRUE ; # default
CONFIGURE RMAN OUTPUT TO KEEP FOR 7 DAYS; # default
CONFIGURE ARCHIVELOG DELETION POLICY TO NONE; # default
CONFIGURE SNAPSHOT CONTROLFILE NAME TO '/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1/dbs/snapcf_v19.f'; # default
7. まとめ
- RMANはOracle Databaseの標準バックアップ・リカバリツール
- ローカル接続、リモート接続の方法がある
SYSDBAまたはSYSBACKUP権限での接続が必要SYSBACKUPはバックアップ専用権限であり、管理権限を最小限に抑えたもの- RMANの利用方法を習得すれば、データ損失のリスクを最小限に抑えることができる
この記事を参考にして、適切な方法でRMANに接続し、バックアップ・リカバリを実行してください。
[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c




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