RMANのマルチセクションバックアップ方法

Oracle Master Gold

1. マルチセクションバックアップとは?

RMAN(Recovery Manager)の マルチセクションバックアップ(Multisection Backup) とは、大きなデータファイルを複数のセクションに分割し、それぞれを並行してバックアップする機能です。この方法を活用することで、大容量データファイルのバックアップを高速化できます。

メリット

  • 並列処理 によりバックアップ時間を短縮
  • 大きなデータファイルでも 複数チャネル で効率的に処理可能
  • ストレージI/Oの 負荷を分散 できる

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2. マルチセクションバックアップの前提条件

  • Oracle Database 11g Release 2(11.2.0.2)以降 で利用可能
  • データファイルのサイズSECTION SIZE より大きい場合にのみ適用される
  • DEVICE TYPE DISK または DEVICE TYPE SBT_TAPE(テープ装置)で使用可能

3. マルチセクションバックアップの設定と実行

基本的なRMANのバックアップコマンドに SECTION SIZE を追加するだけで利用できます。

例1:マルチセクションバックアップの基本構文

BACKUP AS BACKUPSET DATABASE SECTION SIZE 500M;
  • SECTION SIZE 500M → 各セクションを 500MB に分割して並列処理

例2:データファイル単位でのマルチセクションバックアップ

BACKUP AS BACKUPSET DATAFILE 1 SECTION SIZE 1G;
  • DATAFILE 1 のバックアップを 1GB のセクションに分割

例3:並列チャネルを活用したマルチセクションバックアップ

sqlコピーする編集するRUN {
    ALLOCATE CHANNEL ch1 DEVICE TYPE DISK;
    ALLOCATE CHANNEL ch2 DEVICE TYPE DISK;
    BACKUP AS BACKUPSET DATABASE SECTION SIZE 1G;
}
  • ALLOCATE CHANNEL で複数チャネルを指定
  • 各チャネルで SECTION SIZE の単位ごとに並列処理

4. マルチセクションバックアップの確認

バックアップが適切に分割されているか確認するには、以下のコマンドを使用します。

LIST BACKUP SUMMARY;

または、より詳細な情報を確認する場合は次のSQLを実行:

SELECT * FROM V$BACKUP_SET_DETAILS;

5. 注意点とベストプラクティス

  • SECTION SIZE の設定は データファイルサイズに応じて最適化 する
  • チャネル数とストレージのI/O能力を考慮 して設定
  • DEVICE TYPE SBT_TAPE を使用する場合、ストリーミングのパフォーマンスに影響を与える可能性があるため事前に検証する
  • データファイルが SECTION SIZE より小さい場合は分割されず、そのままバックアップされる

まとめ

RMANのマルチセクションバックアップを活用すると、特に大容量のデータファイルのバックアップを高速化できます。適切な SECTION SIZE の設定や チャネルの並列化 を行うことで、バックアップ時間を短縮し、システム負荷を軽減することが可能です。
実際の環境に応じてチューニングしながら、最適なバックアップ戦略を構築しましょう!

[参考]
Oracle Database バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド 19c

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