Oracle RMANでデータベース全体を完全リカバリするスクリプトとその活用方法

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障害発生時、RMANによる完全リカバリを迅速かつ正確に実施することは、Oracle運用担当者にとって不可欠なスキルです。本記事では、スクリプトによってデータベース全体を完全リカバリする手順を紹介し、復旧作業の信頼性と効率を最大化する方法を解説します。

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✅ 完全リカバリとは?

Oracleにおける完全リカバリとは、バックアップとアーカイブログを使用して、障害発生直前の一貫性のある状態までデータベース全体を復元することを指します。

実施条件

  • フルバックアップ(レベル0)を取得済みである
  • アーカイブログモードで運用されている
  • アーカイブログとREDOログがすべて利用可能である

🧾 完全リカバリ用スクリプトの作成手順

① スクリプトファイルの作成

vi /home/oracle/full_recovery.sh
#!/bin/bash

# Oracle環境変数を設定
export ORACLE_SID=orcl
export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/19.0.0/dbhome_1
export PATH=$ORACLE_HOME/bin:$PATH

# RMANによる完全リカバリ
rman target / <<EOF
STARTUP MOUNT;

# データベース全体のリストア
RESTORE DATABASE;

# アーカイブログとREDOログを使用して完全リカバリ
RECOVER DATABASE;

# 通常モードでデータベースをオープン
ALTER DATABASE OPEN;
EOF

② スクリプトに実行権限を付与

chmod +x /home/oracle/full_recovery.sh

🖥 スクリプトの実行方法

以下のように、Oracleユーザーでスクリプトを直接実行します。

/home/oracle/full_recovery.sh

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✅ スクリプト化のメリット

メリット内容
✅ 正確性の確保手順ミスを防ぎ、常に同じ手順で復旧できる
✅ 時間の短縮コマンド入力を省略し、即時実行が可能
✅ 緊急対応に有効深夜・休日でもオペレーターが実行可能
✅ 手順の資産化スクリプトを残すことで属人化を防止できる

💡 テキスト図:完全リカバリの流れ

┌────────────────────┐
│ スクリプト実行開始 │
└────────┬─────────┘

┌────────────────────┐
│ STARTUP MOUNT │ ← 制御ファイル読み込み
├────────────────────┤
│ RESTORE DATABASE │ ← バックアップからデータファイル復元
├────────────────────┤
│ RECOVER DATABASE │ ← アーカイブログ・REDOログで整合性回復
├────────────────────┤
│ ALTER DATABASE OPEN │ ← 通常モードで起動
└────────────────────┘

⚠️ 実務での補足ポイント

  • スクリプトは実際のORACLE_SIDやORACLE_HOMEに合わせて書き換えてください。
  • リストア元のバックアップやログが適切に保管されているか事前に確認しましょう。
  • ASM環境ではOMF管理やディスクグループ名の確認が必要になることがあります。

✅ まとめ

  • 完全リカバリは、障害発生直前までの復旧が可能な強力な手段です。
  • スクリプト化により、確実かつ迅速な対応が可能になります。
  • 日頃からスクリプトを整備しておくことで、障害対応力が飛躍的に向上します。


[参考]
バックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド

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