シーケンスとは何か
Oracleのシーケンスは、連続する数値を自動生成するためのオブジェクトです。たとえば、一意なIDを生成したい場合や、特定の順序で値を必要とするユースケースで効率的に利用できます。また、手動で数値を管理する必要がなくなり、データ整合性を保つことができます。
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シーケンスのメリット
- 連続する値を自動生成: 手動で値を設定する手間を省き、一貫性のある数値を提供。
- テーブルとの非依存性: 特定のテーブルに紐付けられず、複数のテーブルで共有可能。
- 高パフォーマンスとスレッドセーフ: トランザクション間で競合を避け、スレッドセーフな動作を実現。
- 再利用性: シーケンスを必要に応じて繰り返し利用可能。
シーケンスの作成
シーケンスは、CREATE SEQUENCE文を使用して作成します。以下は基本的な例です。
CREATE SEQUENCE seq_example
START WITH 1
INCREMENT BY 1
MINVALUE 1
MAXVALUE 1000
CYCLE;
定義の詳細
START WITH: 初期値を指定します。デフォルトは1です。INCREMENT BY: 増分値を設定します。負の値を指定すると減少するシーケンスも作成可能です。MINVALUE/NOMINVALUE: シーケンスが生成できる最小値を設定します。NOMINVALUEはデフォルトで適用されます。MAXVALUE/NOMAXVALUE: シーケンスが生成できる最大値を設定します。CYCLE/NOCYCLE: 最大値または最小値に到達した際に、循環するかどうかを指定します。
シーケンスの使用方法
シーケンスから値を取得するには、以下の構文を使用します。
SELECT seq_example.NEXTVAL FROM dual;
NEXTVAL: シーケンスの次の値を取得します。CURRVAL: 現在の値を取得します。ただし、NEXTVALを一度も呼び出していないセッションでは使用できません。
実践例
シーケンスを使用して一意なIDを生成し、テーブルにデータを挿入する例を示します。
テーブル作成:
CREATE TABLE employees (
id NUMBER PRIMARY KEY,
name VARCHAR2(100)
);
データ挿入:
INSERT INTO employees (id, name)
VALUES (seq_example.NEXTVAL, 'John Doe');
INSERT INTO employees (id, name)
VALUES (seq_example.NEXTVAL, 'Jane Smith');
SQL> CREATE SEQUENCE seq_example ★シーケンス作成
2 START WITH 1
3 INCREMENT BY 1
4 MINVALUE 1
5 MAXVALUE 1000
6 CYCLE;
順序が作成されました。
SQL> CREATE TABLE employees (
2 id NUMBER PRIMARY KEY,
3 name VARCHAR2(100)
4 );
表が作成されました。
SQL> INSERT INTO employees (id, name)
2 VALUES (seq_example.NEXTVAL, 'John Doe');
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~★シーケンスを挿入
1行が作成されました。
SQL> INSERT INTO employees (id, name)
2 VALUES (seq_example.NEXTVAL, 'Jane Smith');
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~★シーケンスを挿入
SQL> set lin 1000 pages 1000
SQL> col name for a30
SQL> SELECT * FROM employees;
ID NAME
---------- ------------------------------
1 John Doe
2 Jane Smith
~★シーケンス
シーケンスの応用例
減少するシーケンス:
CREATE SEQUENCE seq_decrement
START WITH 100
INCREMENT BY -1
MAXVALUE 100
MINVALUE 1;
これにより、100から1まで減少する値を生成できます。
初期化済みシーケンスのリセット: シーケンスの値をリセットするには、一度削除して再作成する必要があります。
DROP SEQUENCE seq_example;
CREATE SEQUENCE seq_example START WITH 1 INCREMENT BY 1;
シーケンスの管理
シーケンスの属性確認
以下のクエリでシーケンスの現在の設定を確認できます。
SELECT sequence_name, min_value, max_value, increment_by, last_number
FROM dba_sequences
WHERE sequence_name = 'SEQ_EXAMPLE';
シーケンスの削除
使用しなくなったシーケンスは、次の構文で削除できます。
DROP SEQUENCE seq_example;
注意点
- トランザクションがロールバックされても、シーケンスで生成された値は失われません。
NEXTVALを一度呼び出すと、他のセッションから同じ値を取得することはできません。
まとめ
シーケンスは、連続する数値を自動生成する非常に便利なオブジェクトです。一意なID生成や、特定の順序でデータを管理する際に役立ちます。また、複数のテーブルで再利用可能な柔軟性があり、データベース設計において重要な役割を果たします。シーケンスの利用をマスターすることで、効率的で整合性のあるデータ管理が可能となります。
[参考]
Oracle Databaseデータベース管理者ガイド 19c




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