Oracle Databaseは、用途や導入規模に応じて「Standard Edition 2(SE2)」と「Enterprise Edition(EE)」という異なるエディションが提供されています。
この記事では、特に現場でよく問われる以下のポイントにフォーカスして、正確に解説します。
- SE2とEEで何ができて何ができないのか
- CDB構成(マルチテナント)は使えるのか
- RAC(Real Application Clusters)の可否
- バージョンごとの重要な違い
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🧩 Oracle Databaseエディション構成
Oracle Databaseには主に以下の2エディションが存在します。
[Standard Edition 2 (SE2)] → [Enterprise Edition (EE)]
│ │
中小規模システム向け 大規模システム・フル機能対応
🆚 SE2とEEの主な違い
| 比較項目 | SE2 | EE |
|---|---|---|
| 最大CPUスレッド数 | 最大16スレッド(8コア×2ソケット) | 制限なし |
| RAC構成 | Oracle 18cまでのみ対応(2ノード) | フル対応 |
| CDB(マルチテナント構成) | 可能(ただしPDBは1つまで) | 可能(有償オプションでPDB複数) |
| Data Guard(スタンバイDB) | × | ○(有償オプション) |
| パーティション機能 | × | ○(オプション) |
| OLAP/データマイニングなど | × | ○(オプション) |
| Flashback Database | 一部(限定的) | フル機能 |
| オンライン再定義・DDL機能 | × | ○ |
| ライセンス価格 | 安価 | 高価(機能に比例) |
✅ SE2でもCDB構成は可能(ただしPDBは1つ)
Oracle 12c以降では、データベースはCDB(Container Database)+PDB(Pluggable Database)というマルチテナント構成が標準になっています。
SE2でもこのCDB構成は使用できますが、以下の制限があります。
【図解】SE2におけるCDB構成
+-------------------+
| CDB$ROOT |
+-------------------+
│
▼
+-------------------+
| PDB1(のみ) | ← SE2ではPDBは1つまで
+-------------------+
- SE2では 1つのPDBのみ作成可能(追加PDB不可)
- 複数PDBを利用するにはEE+有償オプションが必要
補足:
- 19cでもSE2でCDB構成は可能
- 「SEではCDB構成ができない」という誤解に注意
🛑 SE2のRAC構成は19c以降非サポート
SE2ではOracle 12c〜18cまでのバージョンに限り、最大2ノードのRAC構成が可能でした。
しかし、Oracle 19cからSE2でのRACは完全に非サポートとなりました。
【図解】RAC利用可否
バージョン | SE2でのRAC構成
───────────────┼──────────────────────
11g | ○(SE1/SE対応)
12c | ○(SE2で2ノードまで)
18c | ○(最終対応)
19c以降 | ❌(使用不可)
RACを継続利用したい場合は、必ずEnterprise Edition(EE)が必要になります。
🔢 バージョンごとの主要機能対応表
| 機能/バージョン | 12c | 18c | 19c | 21c / 23c(参考) |
|---|---|---|---|---|
| CDB(マルチテナント) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| SE2でのRAC | ○ | ○ | ❌ | ❌ |
| PDB(SE2) | ○(1つ) | ○(1つ) | ○(1つ) | ○(1つ) |
| EEでの複数PDB | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 長期サポート(LTS) | × | × | ◎ | × |
※現在のLTSは19c(2028年まで延長サポート)
🧭 エディションとバージョンの選び方
| 用途 | 推奨構成 |
|---|---|
| 中小規模システム | SE2 + 19c(PDB1つ構成) |
| PDBを複数使いたい | EE + マルチテナントオプション |
| RAC構成が必要 | EE + RACオプション |
| CDB構成の検証環境が必要 | SE2 + CDB構成(PDB1つ) |
| 長期安定運用 | 19c(LTS対応) |
✅ まとめ
- Oracle Database SE2でも CDB構成は可能(ただしPDBは1つ)
- RAC構成は18cが最後。19c以降はSE2では使用不可
- 複数PDBやData Guard、RACを使いたい場合はEE必須
- 19cは現時点での 長期サポート対象(LTS)
[参考]
Oracle Database データベース概要 19c
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